東京都が2020年東京五輪の選手村を整備する名目で、中央区晴海の都有地(13万3906平方メートル)を市場価格の10分の1で不動産会社11社に売却したことは違法だとして都民が都に対して舛添要一前知事、小池百合子知事らに値引き分を請求するよう求めた住民訴訟の第2回口頭弁論が27日、東京地裁で行われました。
訴訟は「晴海選手村土地投げ売りを正す会」の中野幸則さんら33人が起こしたもの。
都が選手村用地を一般競争入札による通常の取り引きではなく、市街地再開発制度で①地権者 ②再開発事業施行者 ③認可権者 を兼ねる異常な手法を用いて、都財産価格審議会の審議を経ずに総額129億6000万円(1平方あたり9万6700円)で不動産会社に売却したことで、都民に不当な損害を与えたとしています。都は、土地売却価格を日本不動産研究所に委託した調査報告書をもとに決定。
都民の情報開示請求に対して土地の評価額など重要部分を黒塗りしていま した。
この日の弁論で、原告側が黒塗り部分の開示を求めたのに対し、都側は開示を拒否する一方、土地の売却価格は適正だなどと主張しました。
弁論後、司法記者クラブで会見した原告代理人の淵脇みどり弁護士は「証拠が全面的に行政側に偏在した事件であり、都が都議会や財産価格審議会を通さずに売却価格を決めた経緯は、都が説明すべきだ」と指摘しました。
(2018年2月28日付「しんぶん赤旗」より)