東京都が豊洲新市場予定地(江東区、東京ガス工場跡地)で、土壌汚染対策の盛り土をせず工事を実施していた問題で、小池百合子知事は2日、工事は都の環境影響評価(アセスメント)条例違反であると認めました。
日本共産党の原田あきら都議の質問への答弁。
都は、2011年8月に公表した新市場のアセス評価書で、予定地の主要建物下で盛り土をするとしていましたが、実際にはしていなかったことが2016年9月共産党都議団の調査で発覚。都は、同条例62条が義務付ける、評価書の工事内容を変更する場合の届け出を昨年8月までしていませんでした。
小池知事は答弁で、「変更届を提出せずに工事を実施したことは、環境影響評価条例に違反し、遺憾である」と述べました。
同条例91条にもとづく、手続き違反の事実と事業者名の公表もしてこなかったことについて、原田都議は「条例の精神に反する」と批判。
小池知事は、条例は「適切に行うことを担保するために手続きを定めた」ものだと述べる一方、「条例91条を適用する必要性は乏しいと判断した」と答えました。
「水害対策支援拡充を」原田都議質問に「推進」答弁
原田都議は、都の水害対策について小池百合子知事の認識をただしました。
原田都議が首都の水害防止に向けた決意を尋ねたのに対し、小池知事は、都内の調節池などを視察したことにふれ、「都民の生命、財産、首都機能を守るためにこうした施設が重要である」とし、「ハードとソフトの両面の施策を推進し、東京の防災力を高める」と述べました。
区市町村が行う調節池の整備など水害対策への都の補助制度について取り上げた原田都議は、地域を限定した上に「貯水量が300トン以上」という要件が厳しすぎるために十分活用されていないと指摘。要件を引き下げ、拡充すべきだと求めました。
邊見隆士都技監は、「来年度、補助対象要件を緩和し、区市の取り組みをいっそう支援していく」と答えました。
原田都議は、都が2014年に豪雨対策基本方針を改定してから4年たつのに、その具体化となる流域ごとの豪雨対策計画が改定されていないことをあげ、「改定を急ぐべきだ」と求めました。
邊見技監は「神田川流域と石神井川流域について、年度内に新たな計画を策定する」と答えました。
(2018年3月4日付「しんぶん赤旗」より)