日本体育協会(日体協)の本部がある岸記念体育会館(東京都渋谷区)の移転建て替えをめぐり、都が日体協と水面下で調整し、異例の優遇措置を行いながら、都議会で事実と異なる虚偽答弁を行っていたことが12日、日本共産党都議団(曽根はじめ団長、18人)が文書開示請求で入手した資料で明らかになりました。
国立代々木競技場付近にある同会館を神宮外苑・新国立競技場付近に移転する計画について、都は2020年東京五輪のためとして用地買収や移転補償費を計上。移転先用地も確保して高さ制限を大幅緩和するなど、異例の全面支援をしています。
都は都議会で共産党の白石たみお都議の質問に対し、「日体協から2015年12月に要望が出された」ことから検討を始めたと答弁していました(2016年5月の都市整備委員会)。
しかし、都議団の調査で2011年8月ごろには都が神宮外苑への移転の検討を開始していた事実が判明しました。
会見で白石氏は「3月1日の私の代表質問で、従来の答弁を突然変更した。これまでの答弁は虚偽答弁だったことになる」と批判。
『日体協・JOC百年史』で森喜朗・元日体協会長(元首相)について「建て替えについては政治力を発揮」と紹介していることを示し、「異例な優遇策が元首相の政治力を使って進められたとしたら、許されない」と強調しました。
この問題については13日の都議会予算特別委員会で曽根はじめ都議が本格的に追及します。
(2018年3月13日付「しんぶん赤旗」より)
詳しい資料はこちら⇒「岸記念体育会館の移転をめぐる不可解な経過について」(都議団サイト)