日本共産党の山添拓参院議員は12日、国会内に原子力規制庁を呼び、原発立地の新規制基準に基づく審査の内規「火山影響評価ガイド」に関連して原子力規制委員会が7日に発表した「巨大噴火によるリスクは、社会通念上容認される水準であると判断できる」とする「基本的な考え方」について説明を求めました。
同庁の岩田順一規制管理官補佐(地震・津波安全対策担当)は、今回の「考え方」は同ガイドを改定するものではなく、わかりやすくするためのものだと説明。
一方、更田豊志委員長が7日の同委員会で「今後QアンドA形式の資料に落とし込む」「ガイドの記述の適正化を進めていく」と述べたことも明らかにしました。山添議員は、現行ガイドが巨大噴火による影響を考慮すべきだとしているとする2月21日の参院調査会での答弁にも反し、現行ガイドを骨抜きにするものだと批判しました。
山添議員は、内閣府の検討会が2013年に発表した「大規模火山災害対策への提言」で巨大噴火についての知見は非常に限られ、今後も発生しうることを国民に周知し、体制の整備と研究を推進することを国に求めたことにも逆行すると指摘。
火山噴火は予測できないというのが火山学の到達であり、巨大噴火リスクを根拠もなく無視するのは、「世界一安全」とはほど遠く、一方的に安全基準を後退させるもので許されないとして、規制委に厳しい抗議を伝えるよう申し入れました。
(2018年3月16日付「しんぶん赤旗」より)