【都迷惑条例改悪】人権を侵す危険 大山とも子都議、規制拡大案の撤回要求

国会前やインターネット上での政治批判を封じるとの批判が高まっている東京都迷惑防止条例改悪案について、日本共産党の大山とも子都議は19日、都議会警察・消防委員会で、条例案が都民の自由を過度に制限する可能性が高いとして撤回を求めました。

条例案の撤回を求める大山都議=19日、都議会委(「しんぶん赤旗」提供)

大山氏は、現行条例が正当な理由なく悪意の感情を満たすことを目的とするかどうかを処罰の分水嶺(れい)としており「自白の強要が行われる可能性が高い」うえ、条例改定により規制対象がさらに拡大されると追及。

市民が国会前で安倍首相を批判する集会やデモを行うなどの行動が繰り返された場合、警察の判断で逮捕される可能性が生じると批判しました。

条例案に反対する要請書が同日時点で105団体、個人要請や反対署名が3日間で計1,000人を超えていると紹介。「多くの人が自由と民主主義を守るため、条例案は廃案にと主体的に行動している」と強調しました。

一方、2003年の同委員会での「労働運動、市民運動、取材活動は正当な権利行使に基づくものとして(条例の)対象外」とする警視庁答弁に変わりはないか質問。警視庁の市村諭生活安全部長は「答弁に変わりはない」と答えました。

大山都議は、現行条例に乱用防止規定が盛り込まれていることに触れ、同規定があること自体が、条例が運用方法によって都民の自由を過度に制限する可能性が高いからだと指摘。規制を拡大する条例案の撤回を求めました。

警察がデモ処罰の恐れも
「もの言わせろ」市民抗議

東京都が、開会中の第1回都議会定例会に提出している、迷惑防止条例改定案に抗議する行動が19日、都庁前で行われました。SNSで呼びかけられ、約60人が参加しました。

今回の改定案では、市民が国会前や路上で国会議員を批判することや、報道機関が取材対象の住居付近を数回「うろつく」などの行為が、警察によって「正当な行為でない」と批判され逮捕される恐れがあります。

言論・報道の自由、知る権利など憲法上の人権を制約するとの指摘もあります。

抗議の声を上げる人たち=19日、都庁前(web版「しんぶん赤旗」より)

集まった参加者は「迷惑防止条例改悪反対」「ものを言わせろ」「みんなの権利だ」などのコールを叫び、プラカードを掲げて都庁に向け抗議しました。

抗議行動に参加した女性(53)=練馬区=は、「国会や主要官庁が集中している東京でデモを処罰するものだ」と話し、条例改定案を批判しました。

緊急の呼びかけに駆け付けた65歳の女性=江戸川区=は「ツイッターで読んできました。条例が通過することによって市民が声を上げられなくなる」と心配しました。

都は、同改定案の今議会での採決を狙っています。

(2018年3月20日付「しんぶん赤旗」より)

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