一部道路で全長40フィート(約12メートル)の国際海上コンテナの輸送車の通行許可を不要とする道路法改定案が30日の参院本会議で、日本共産党以外の賛成多数で可決・成立しました。
採決に先立つ29日の参院国土交通委員会で、日本共産党の山添拓議員は同法案について「道路の保全、交通の安全のためにもやめるべきだ」と求めました。一定の質量や寸法を超える特殊車両は、道路の通行に許可が必要です。改定案の下では、政令改定により重要物流道路のうち道路構造を強化した区間は通行許可を不要とする計画です。
山添氏は、法案概要には「コンテナ車等」とあり、コンテナ車以外に許可不要が拡大する可能性もあると指摘。
「許可制度の適用除外を認めれば、申請するかどうか事業者判断になる。今でも違反車両があり、許可なし通行が増える可能性があるのにチェック体制もない」として規制緩和の断念を求めました。
石井啓一国土交通相は「申請に準備やコストがかかる。機動的な輸送のため手続きを不要とした。国際競争力の観点からも必要だ」と固執しました。
質疑後、山添氏は反対討論に立ち、改定案は「道路の構造保全や交通の安全を後退させる」「公共の道路を特定の企業の利益のために整備・利用する」と批判しました。
(2018年3月31日付「しんぶん赤旗」より)