都議会が閉会 都予算案が可決 斉藤都議「公約違反の築地移転」 共産党 巨大開発推進と反対

都議会が閉会  都予算案が可決 斉藤都議「公約違反の築地移転」 共産党 巨大開発推進と反対
 都議会第1回定例会は3月29日、2018年度一般会計予算案(7兆460億円)を都民ファーストの会、公明党、民進党・立憲民主党、日本維新の会、生活者ネットの賛成多数で可決し、閉会しました。日本共産党、自民党、かがやけTokyoは反対しました。
 
 築地市場の豊洲新市場への移転を推進する中央卸売市場会計は、都民ファ、公明、民進・立憲の賛成で可決。共産党、自民党、かがやけ、ネットは、反対しました。
 
 採決に先立つ討論で、共産党を代表して立った斉藤まりこ都議は、小池百合子知事が、公約を投げ捨て築地市場の豊洲移転を進めていると批判。移転中止と築地市場の現在地再整備を求めました。
 
 一般会計予算案について、巨額の道路建設を推進する一方、都は高すぎる国民健康保険料(税)の負担軽減には冷たい姿勢だと指摘。森喜朗元首相らの関与で都政がゆがめられた疑いがある岸記念体育会館の移転問題で、小池知事は幕引きを図ろうとしていると批判しました。同時に、特別養護老人ホーム整備費補助の倍増など、貴重な前進も少なくないと評価しました。
 
 また、共産党が提案した予算組替案は、予算全体の2.9%の見直しで74項目もの都民要求が実現できることを明らかにしたと強調。「不要不急の大型開発を見直し、暮らしと福祉最優先の予算編成に転換すること」を改めて求めました。
 
 自民党とかがやけは、一般会計予算案のうち、「都政改革本部」の特別顧問などの報酬や旅費が計上されている部分と、築地市場跡地の再開発検討会議に関連する経費を中央卸売会計で計上している部分について減額する編成替えを求めました。
 
 共産党が、生活者ネットと共同提出したシルバーパス条例改正案と、同じくかがやけ、生活者ネット、維新の会と共同提出した引き上げられた都議の期末手当を元に戻す条例案は、ともに提案会派以外の反対で否決されました。
 
 
地下水管理の専門家も不在
 築地市場の移転問題では共産党の大山とも子都議が3月26日の予算特別委員会の締めくくり総括質疑で、豊洲新市場の追加の土壌汚染対策について「失敗に終わった提言をまとめた専門家会議だけに依拠するのはやめるべきだ」と主張しました。
 
 専門家会議は石原都政時代に、豊洲新市場の安全性にお墨付きを与えてきました。小池知事が設置した専門家会議も、石原都政のときと同じメンバーです。
 
 大山都議は「土壌も地下水も環境基準以下にするという目標は達成できなかった。専門家会議の提言は失敗した」と指摘。同会議の責任追及も原因解明もなく、同会議が追加対策工事の提言をまとめたから「大丈夫だ」と言っても都民は納得しないと批判しました。
 
 大山都議はさらに、追加対策工事の完了後に有効性を確認する同会議には、地下水管理の専門家はおらず、西垣誠・岡山大学名誉教授の助言を受けていることを明らかにしました。
 
 その上で西垣氏について、汚染された地下水の水位を抑えるはずが、目標水位を達成できず、破綻が明白な地下水管理システムを絶賛していたとし、「専門家会議が大丈夫だと言っていると言っても不安になるだけ」とのべました。
 
 
大阪万博誘致推進を決議
 都議会は3月29日、2025年万博の大阪誘致を推進する決議を、都ファ、公明、自民、民進・立憲、かがやけ、日本維新の賛成多数で可決。共産党、生活者ネットは反対しました。
 
 共産党の池川友一都議は討論で、万博の理念には賛成だとした上で、25年大阪万博がギャンブル依存症の拡大をもたらすカジノを中核とする「統合型リゾート(IR)」とセットになっていることや、会場予定地の人工島・夢洲が地震にぜい弱で危険性が指摘されていることを強調。
 
 さらに大阪府・市の負担が巨額など、重大な問題点があるとし「誘致促進決議は、大阪府民に対し、あまりにも無責任だ」と主張しました。
 
 

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