財務省にまつわるセクハラ問題で、加害者による典型的な言い逃れの数々を、まさか政府の口から聞こうとは!
「被害者は名のり出よ」
このどう喝が広げた痛み! 計り知れない。
私も例外でなく、心の奥底にうまくしまって眠らせていた記憶が皮膚感覚でよみがえり、暴れだし、前向きな気持ちを全て抹殺してしまいそうな腐臭と鋭さで私に襲いかかってきた。
目眩(めまい)がするほど広大な、地平線まで敷き詰められた「男社会」を見せつけられたような脱力感だった。
テレビ朝日女性記者の告発は、この国の在り方を問うている。
曖昧にせず、他人事にもせず、受け止め、学習し、その力で正義を果たそう。
女は モノではない。男社会の人身御供でも当然ない。あなたと同じ人間だ。
女として生まれたことを、私自身が心の底から喜ぶことのできる日はくるのだろうか。
その日は、全ての女たちが、そしてあらゆる性別の人たちが自分の人生を生きられる日の到来と同時であるに違いない。
息を殺し、生きているあなたへ。
「#Me To」私も、近くにいる。
(2018年4月24日付「しんぶん赤旗」より)