参院資源・エネルギー問題調査会は11日、エネルギー問題について参考人質疑を行い、日本共産党から市田忠義、山添拓両議員が質問に立ちました。
市田議員は、エネルギー基本計画改定に向けた2030年度の電源構成の議論に関連し、東京電力福島第1原発事故の経験から「原発事故のリスクは社会的に容認できるか」と質問。大島堅一龍谷大教授は、同事故による損失は水俣病加害企業の負担額の数百倍に及び、人々の苦しみや国土の損害は経済的計算では計りしれないことから「到底容認し難い」と強調。原発は「経済的だ」ということ自体「常軌を逸した考え方だ」と批判しました。
市田議員は、原子力規制委員会による原発事業者に対する適格性審査の確認事項に事故対応の「財務体力」は含まれていないとして、電力市場での原発の競争力について質問。
大島氏は、安全な原発を建てるための資金調達は「相当困難」で「経済的にも成り立たない」と述べ、賠償制度にも不備があるとして、新規原発に競争力はないと強調しました。
山添議員は、再生可能エネルギー技術の進歩により、「安定供給」という原発のメリットもなくなるのではないかと質問。大島氏は、「安定」とは安全確保の観点から発電量を変動させられないということであり、将来の再生可能エネルギーの増大に伴い「おのずと原子力や石炭は役割を閉じていく」と述べました。
(2018年4月30日付「しんぶん赤旗」より)