開場まで5カ月足らずに迫っているにもかかわらず、施設内のターレ(小型運搬車)の運行速度など交通ルールが決まっておらず、 関係者から「追加工事が必要」との声もあがりました。
訓練では、水産卸売場棟(7街区)のトラックバースでトラックから発泡スチロール箱の積み荷を搬出し、フォークリフトで運び込み、積み荷を卸売業者ごとに仕分けする訓練、水産仲卸売場棟(6街区)内でスチロール箱を積んだターレが店舗の間の通路をすれ違う練習を行いました。
仲卸業者から「へアピンカープでは荷崩れの危険もある」との声があがっている、上下階を結ぶスロープの走行訓練は行いませんでした。
伊藤裕康・築地市場協会会長は訓練後、記者団に対し、「(物流など)一つ一つ吟味し直すものや、都に工事していただくべきものがある。開場準備は遅れ気味」と語りました。
豊洲新市場では、都の土壌汚染対策が失敗し、地下水から環境基準の最高160倍もの有害物質ベンゼンを検出。
仲卸業者や買い出し人からは、売場棟が3カ所に分断され、買い回りに時間がかかる問題や、公共交通の便の悪さなど多くの批判があがっています。
山口代表は、同会が3~4月に行った水産仲卸業者のアンケート調査では豊洲移転計画に7割が中止・凍結を求めており、「仲卸の多くが『築地がいい』と答えています」と語りました。
仲卸業者の女性はターレで低速で荷を運んだ訓練について「実際の業務では大きい荷も小さい荷もあるし、サワラなど大きな魚が箱から飛び出ることもある。訓練のように整然と運べないことが多い」と指摘しました。
同席した全労連・東京中央市場労働組合の中澤誠委員長も「豊洲新市場の床は耐荷重が低く、築地で使っていたフォークリフトが使いづらい。売り場で各店舗のターレがいっせいに動けば、混雑でさばき切れるのか」と疑問を投げかけました。
同会のアンケート調査では、豊洲新市場について75%が「土壌汚染が心配」、81%が「交通アクセス」の悪さを挙げています。
(2018年5月17日付「しんぶん赤旗」より)