学校法人「森友学園」との国有地取引をめぐる決裁文書改ざんの事実を麻生太郎財務相が認めた3月12日以降、日本共産党の宮本岳志衆院議員に提出された同学園側との「応接記録」も大幅に改ざんされたものであることが、29日の衆院財務金融委員会での共産党の宮本徹議員の追及で明らかになりました。
宮本徹議員は、宮本岳志議員が3月末までに提出することを要求し3月30日に提出された同省近畿財務局作成の「応接記録」(A4判1ページ)では、2017年2月13日に同局の池田靖統括国有財産管理官が籠池泰典同学園理事長(いずれも当時)から電話で、メディアから「学校の運営方針」を聞かれ、「きちんとした子供を育てる」と答えたとの報告を受けたことだけが記録されていると指摘。その上で、同じ日時の池田、籠池両氏の電話での問答を4ページにわたり記録した別の「応接記録」を自身が入手したと説明。
宮本徹議員入手の記録では、「学校の運営方針」だけでなく、池田氏が「(取材で)国会議員の関係は聞かれましたか」と質問し、籠池氏が「何ら関係ないと答えている」と応じたことが記されていると暴露しました。
宮本徹議員入手の「記録」では、池田氏が、「朝日」の取材に「除去費用の額を1億円と回答してはいないか」と質問。
国有地の約8億円もの値引きの根拠となった地中ゴミの除去費用の内幕を隠そうとした意図がうかがえます。
さらに、国会で地下埋設物除去費用を「森友学園に確認せよと言われている」という池田氏に、籠池氏が「建設費に含まれているため詳細は不明であるし、答える義務はない」「問題はない」と応じるなど、国会対応で口裏合わせをしています。
宮本徹議員は、宮本岳志議員に提出された1枚ものの「応接記録」は口裏合わせ部分がすべて削除されており、応接記録や交渉記録も改ざんしてきたのではないかと追及。
太田充理財局長は交渉記録改ざんも「調査している」として、「応接記録」の改ざん前文書の存在も「速やかに調査し、報告する」と約束。
小里泰弘委員長(自民)も「可及的速やかに提出、報告を」と指示しました。
日本共産党の宮本徹衆院議員が入手した財務省近畿財務局作成の「応接記録」(抜粋)
※宮本徹議員が29日の衆院財務金融委で読み上げた内容を「しんぶん赤旗」が書き起こしたもの。
「当方」=池田靖統括国有財産管理官(当時)、「相手方」=籠池泰典理事長(当時)、●●=同席した弁護士の名前の黒塗り部分
(メディアの取材に「学校の運営方針」を説明した部分=略)
(※以下、「相手方」の発言は一部だけ読み上げ)
[当方]では地下埋設物は適切に処理しているのか、といった質問はありましたか。 [当方]有益費で対策を講じた点についても詳しくご説明なされたということですね。 [当方]地下3メートル以深のごみに関して何かコメントされているか。 [当方]具体的に対策費に関していくらかかったのかの質問はなかったか。 [当方]契約金額について聞かれましたか。 [当方]その他に聞かれたことはあるか。 [当方]国会議員の関係は聞かれましたか。 [相手方]いろいろと聞かれたが、そんなことあるはずがない、国にお願いしたこともない。日本会議のことなど根も葉もないことをいろいろと聞かれたが、何ら関係ないと答えている。 [当方]最後に朝日新聞社の取材に関して、除去費用の額を1億円と回答してはいないか。 [当方]了解。最後にもう一点だけお伺いしたい。当局も国会対応等でいろいろ質問を受けているが、地下埋設物除去費用に関して、森友学園に確認せよと言われている。確認させていただくとするといかがか。 [相手方]金額の詳細はこれまでも話をしているように、建設費に含まれているため、詳細は不明であるし、答える義務はないものと考える。 [当方]了解。では、当方も国会対応にて、「森友学園に確認したが、詳細は不明。回答できない」と、確認した旨伝えてよいか。 [相手方]問題はない。 [当方]ありがとうございました。明日の取材予定は。 [相手方]取材は今日で終了している。 [当方]了解以上
(2018年5月30日付「しんぶん赤旗」より)