東京都が築地市場(中央区)を廃止し、豊洲新市場(江東区、東京ガス工場跡地)を10月に開場する計画に対し、市場内外の団体が2016年以降、都に対し嘆願書や抗議文などを相次いで出していたことが本紙の取材で分かりました。
本紙は2016年以降、市場内外の団体から寄せられた要望書や質問書の開示を都に請求し、46件の文書を入手しました。
「築地市場改修」を求める嘆願書を都に提出していたのは、東京都鮨(すし)商生活衛生同業組合(山縣正理事長、717店)。同組合は2017年5月23日付で、都の市場問題プロジェクトチームがまとめた築地市場改修案を支持し、「築地市場で仕入れをする鮨商組合員と当組合は、現市場のさらなる活性化を期待します」「築地市場改修案の実現を切に願います」と小池百合子知事に要請しました。
築地市場協会は2016年9月、日本共産党都議団の調査で発覚した、豊洲市場施設の地下に盛り土をせず空間にしていた問題で、「強い衝撃と怒りを覚える」との抗議文を岸本良一中央卸売市場長(当時)に提出しました。
築地市場の飲食業組合は2017年9月、豊洲の土壌汚染追加対策で地下空間床にコンクリートを敷設する工事について、「この工法では長期間の安全は確保出来ないとの結論だった筈(はず)ですが?」「有害物質の濃度が上昇しているのは何故ですか?」などの質問状を提出しています。水産仲卸の組合である東京魚市場卸協同組合は今年1月、
▽ヘアピンカーブやターレ(小型輸送車)スロープ、通勤駐車場は接触事故の危険がある
▽店舗や活魚売り場の排水溝に問題がある
などと改善を要望。
東京都水産物卸売業者協会も同1月、豊洲市場の物流施設には構造的な問題が多数存在し、開場後の物流に深刻な影響を与えるとして、改善を都に要望しています。
(2018年6月12日付「しんぶん赤旗」サイトより)