公共事業などのために所有者不明の土地の収用についての特例を含む特別措置法が6日、参院本会議で賛成多数で可決・成立しました。
日本共産党は、憲法29条が保障する財産権の剥奪を正当化するだけの十分な手続き保障ではないとして反対しました。
同法は、公共事業の際の収用委員会の公開審理と裁決を簡素化し、都道府県知事の裁定に代える特例を盛り込んでいます。5日の参院国土交通委員会で日本共産党の山添拓議員は「所有者不明土地の発生を抑制し解消する仕組みが入っていない。公共事業における土地収用や利用権設定など専ら利用を促進する手段の導入だ」と強調。政府の認識をただしました。
石井啓一国交相は、不明の所有者が現れる可能性が極めて低い場合の土地所有権について「引き続き検討が必要」と答弁。
山添議員は「所有者不明土地」に当たると判断するための探索や調査が事業者に委ねられており、都道府県が事業者となる場合には、申請者と裁定者を兼ねるため、客観的な確認や裁定が担保されていないと批判しました。
また、東京外環自動車道の予定地も対象となるとして、同法案は公共事業を進める手段となりかねないと指摘しました。
(2018年6月15日付「しんぶん赤旗」webサイトより)