狛江前市長のセクハラ/共産党5市議が議会で追及

市・自公の責任くっきり

東京都狛江市の高橋都彦(くにひこ)前市長=4日辞職=が女性職員らに行っていたセクハラ問題の経過が明らかになりました。
日本共産党の西村敦子、田中智子、鈴木悦夫、岡村伸、宮坂良子の5市議が15日の一般質問で、この問題を多角的に追及しました。

市長職務代理の水野穣副市長は、高橋氏のセクハラを初めて認識したのは高橋氏の1期目途中の2014年4月だったことを明らかにしました。

西村市議が「『何度も注意した』とはいえ、市長の行為を何年も隠ぺいしてきたと言わざるを得ない」と追及したのに対し、水野氏は「不徳の致すところ」だと答えました。

把握しても庇う

質問では、高橋氏がすでに就任1期目の途中で、職員らにセクハラを行っていたこと、市幹部が事実を把握していたのに、毅然と対処せず高橋氏を庇っていたことが明らかになりました。

西村市議は、市長のセクハラ問題を告発した3月2日の質問以降、高橋氏がセクハラの事実を認めず、被害者が名乗り出て初めて辞意を表明したことを、二次被害であり、パワハラだと断じ、「高橋市政 の6年間は女性の人権を傷つけ、市政への信頼を大きく失墜させたマイナスの6年間だ」と批判しました。

また、高橋氏を庇い、3月議会で辞職勧告決議や百条委員会の設置に反対した自民党系、公明党など与党の責任を追及しました。

再発防止は不十分

2018年3月14日付「しんぶん赤旗」に掲載された、職員のセクハラ被害が記録された文書。

2018年3月14日付「しんぶん赤旗」に掲載された、職員のセクハラ被害が記録された文書。

質問では、セクハラの再発防止に対する市の対応が不十分だったことも浮き彫りになりました。

田中市議は市の「ハラスメント防止指針」で、「被害が深刻化しないよう必要な策を講じる」としていることを挙げ、加害者である市長への事情聴取などを行ったのかとただしました。

総務部長は「市のハラスメント防止規則では行為者が(特別職の)市長であった場合の対応が規定されていなかった」と答弁。
今後のハラスメントへの対処について、「ハラスメントに対する認識を身につける研修とともに、相談員向け研修を行い相談体制の充実を図る」などと答えました。

鈴木市議はセクハラ、パワハラなどの再発防止のため

①専門家や市民も参加する第三者委員会の設置
②市長が問題行 為をした場合の情報公開や処分のあり方の検討
③庁内のハラスメント行為の定期的調査と公表

などを提起。

宮坂市議は市の「男女共同参画推進計画」に基づき、女性相談窓口の拡充や、性·ジェンダー(社会的性差)についての学校教育の充実を求めました。

公用車使用 不適切

一般質問では、高橋氏が市長優先車を選挙の応援に使ったり、市長交際費を都庁や委託業者への土産代に支出したりしていた問題も明らかになりました。

岡村市議は、高橋氏が統一地方選最中の2015年4月、公用車で稲城、国立、東村山、清瀬の各市長選の陣中見舞いに行っていたなどの事実を指摘。
「公用車の私的利用であり不適切だ」と批判。市長優先車 の使用ルールを改めるよう求めました。

企画財政部長は、5月に基準を改め、市長優先車の使用は公務に限定し、選挙事務所への訪問はできないようにしたと明らかにしました。
交際費についても、東京都など官公庁への手土産代への支出をできないよう改定したと答えました。

市が公文書公開~共産党の請求に

黒塗りを外し、市長がセクハラ加害者であることを示した21日発表の文書

黒塗りの下に記されていたのはやはり「高橋市長」「市長」の文字でした。

東京都狛江市は21日、高橋前市長が加害者とみられるセクハラ相談に関する公文書について、これまでに公開された黒塗りでセクハラ加喜を隠していたものから、黒塗りを外したものを公開しました。

日本共産党狛江市議団が公開を求めていたものです。

元々の一部黒塗りされた資料には、「■■■■からのセクハラ相談が入っている」「■■が口をつけたグラスのお酒を飲まされ困った」「■■から夜に誘われることが多く困っている」など被害が記されていました。

黒塗りされた公文書は、日本共産党狛江市議団が情報公開請求で入手。3月1日の市議会での質問を皮切りに、前市長のセクハラ問題を追及してきました。

高橋前市長は市議会での追及と世論と運動の広がり、セクハラを受けた女性職員からの実名告発を受け、4日、「市政をこれ以上混乱させてはいけない」と辞職しましたが、最後まで自身の行為をセクハラとは明確には認めませんでした。

日本共産党市議団は15日、前市長の辞職を受け「状況は変わった」として、改めて情報公開を請求していました。

(2018年6月23日付「しんぶん赤旗」より)

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