東京都は、墨田区など区部東部地域の9区で供給している工業用水道事業を廃止する意向を表明しました。
日本共産党の斉藤まりこ都議は6月22日の都議会公営企業委員会でこの問題を取り上げ、「利用者には死活問題だ。利用者の要望を丁寧に聞いて応えるべきだ」と求めました。工業用水道事業は地下水の汲み上げに伴う地盤沈下を防ぐため、1964年に供給が始まり、町工場の冷却・洗浄や、集合住宅、官公庁のトイレ排水、洗浄などに利用されてきました。
利用者の減少や施設の老朽化、地盤沈下の沈静化を踏まえ、都の有識者委員会が6月にまとめた報告書は施設更新の費用が2328億円なのに対し、施設撤去の費用は908億円であるとして 廃止を提言しました。
斉藤都議は「工業用水道の廃止で都は将来の負担を減らすことができるが、利用者にとっては事業の存続が危機にさらされる死活問題だ」と強調。
「集合住 宅の中には昨年夏に多額の費用をかけて給水管を更新したばかりの所もある。雑用水利用者へも住民説明会などを行い、要望に応えるべきだ」と求めました。
水道局は雑用水利用者にも丁寧に対応すると答えました。
(2018年7月4日付「しんぶん赤旗」より)