日本共産党のとや英津子都議は都議会一般質問で、16年に大田区の認可外施設で6カ月の乳児が死亡した事故を取り上げ、都が立ち入り調査で「常時複数の保育従事者が配置されていない」「保育の有資格者数が基準を満たされていない」など、事故を起こした保育施設の問題点を把握しながら、事故が起きるまで改善勧告を出さなかったことを指摘。知事には事業停止や施設閉鎖を命ずる権限もあり、「二度と幼い命を犠牲にしてはならない」とのべ、決意をただしました。
小池知事は「このような事故はあってはならないこと」とし、「認可外施設の質の確保・向上のため、都は巡回指導を行う区市町村への支援などを進めており、今後も保育サービスの質の向上に取り組む」と前向きな答弁をしました。
とや都議は事故の検証委員会が、繰り返し改善指導を行っている事業者への指導・監督の強化を提言したことをあげ、都の取り組みを求めました。梶原洋福祉保健局長は「提言も踏まえ、区市町村と連携しながら指導・監督を強化していく」と答えました。
練馬区の医療過疎
とや都議は、練馬区の病床数が10万人当たり290床で、23区平均の約3分の1で最少、指定2次救急医療機関が都全体と比べて約半分で入院患者の7割が区外で受診など、練馬区の医療過疎の深刻な実態を示すとともに、同区と区議会が医療充実を求める意見書・要望を都に提出していることを明らかにし、知事の認識をただしました。
小池知事は「練馬区が地域医療の充実と病床確保を区政の最重要課題としていること、また、練馬区及び練馬区議会から出された要望についても十分承知している」と答弁しました。
都の保健医療計画で練馬区は、北、板橋、豊島各区とともに区西北部医療圏とされています。とや都議は、これら4区の中で、人口当たりの病床数について、練馬区は極端に少ないことを指摘。小池知事は「同一医療圏内の自治体間で偏在が生じている」との認識を明らかにしました。
とや都議は、都営地下鉄大江戸線の光が丘駅─大泉学園駅間(練馬区)の延伸計画について「交通空白地域の解消と同時に、同区西側地域から都心へのアクセスが容易になり、利便性は飛躍的に向上する」として、事業化を要望しました。