高橋都彦(くにひこ)前市長がセクハラ事件で辞職したのに伴う東京都狛江市長選が15日告示されます。
1996年に当時の石井三雄(さんゆう)市長がバカラ賭博の借金で失跡したのを受けて市長に当選し、2012年まで4期16年にわたって清潔・公正、「市民が主人公」の市政を進めた矢野裕(ゆたか)元市長が、「ともに狛江 市民の会」の田中とも子予定候補(60)=無所属新、共産、社民、生活者ネット、新社会、自由党都連、緑推薦=への期待を語りました。(川井亮記者)
これらが励ましとなって、市役所内部でも職員組合がセクハラを告発し、市幹部も公然と高橋氏に辞職を迫るなどの動きにつながりました。
高橋氏の発想は一言でいえば「職員は自分を守るためにある」という、市政私物化の古い思想です。これが弱い者いじめの強権的な市政にもつながっていた。市役所は市長のためにあるのではなく、市民に奉仕するためにあります。
今回の市長選は、自民党と公明党が支えてきた古い体質の政治を今後も続けるのか、田中さんを市長にして新しい市政に転換するのかが問われます。
高橋氏を支えた自民党と公明党は、3月議会で辞職勧告決議にも百条委員会設置にも反対し、最後まで高橋氏をかばう態度に終始しただけでなく、議会でも市民に対しても、一言も謝罪していません。
私が共産党市議を辞職して市長選に立候補した当時、失跡し、後には贈収賄で実刑まで受けた石井氏を支えた自民党系・公明党など与党は、その責任に全く頬かむりしたままでした。
当時と議員の顔ぶれは代替わりしました。しかし、狛江市政をねじ曲げてきた自民党、公明党が、これに一片の反省も謝罪もないまま新しい候補者を擁立しても、市政の根幹は変わらないし、第3の不祥事が起きない保証はありません。
私が4期16年の市政で、与党幹事長だった田中さんとともに大切にしてきたのは、市民参加と協働でした。
情報公開を進め、時間はかかっても職員や市民と議論を重ねてきました。そのことで市政が前に進んだと実感しています。
田中さんは、私が市長だった時には野党だった政党・会派からも推薦されて立候補しました。
これは新しい広がりを持った共同です。
そうした人たちと対話と共同を積み重ね、まともな市民本位の市政を取り戻すことを期待しています。
(2018年7月14日付「しんぶん赤旗」より)