東京都教育委員会は26日、来年度の都立中学校5校、中等教育学校前期課程5校、特別支援学校中学部の道徳教科書を採択しました。
侵略戦争を美化し、個人の尊厳を欠落させた子ども観を押し付ける日本教科書版は採択しなかったものの、「国を愛する態度」などを生徒に自己評価させる教育出版版は、中学校1校、中等教育学校前期課程1校、視覚障害特別支援学校(3校)で採択しました。日本共産党都議団 (曽根はじめ団長、18人)はこれに先立つ25日、都教委に対し、憲法を尊重し、公正・民主的で開かれた採択を行うよう申し入れました。
申し入れでは、道徳教育は全ての人に人の尊厳があることを土台に、子ども一人ひとりの選択による価値観の形成を大切にする必要があるとして、国が国民に特定の道徳を押し付け管理する動きには反対だと表明。
今回の道徳教科書には、子どもの心を特定の方向に誘導したり、価値観の押し付けにつながったりするものがあるという心配の声が都民から寄せられていると指摘しました。
その上で、
①憲法を尊重し、公正・民主的で都民に開かれた採択を行う
②各学校の教員の意見や評定を反映する
③都教委の審議では、各委員が教科書名を挙げて評価や意見を述べるとともに、投票は記名投票とする
④審議は希望する人全員が傍聴できるようにする
ことを求めました。
(2018年7月28日付「しんぶん赤旗」より)