東京都築地市場(中央区)の仲卸業者などでつくる「築地市場営業権組合」は5日、小池百合子知事に対して豊洲新市場(江東区、東京ガス工場跡地)を10月11日に開場する農水相への認可申請を取り下げ、開場を再度延期するよう要望しました。
仲卸、築地女将(おかみ)さん会、配送関連業者を含む約20人が中央卸売市場に要請書を手渡しました。要請書は
▽豊洲新市場は土壌汚染対策が失敗し、地下水から環境基準の170倍のベンゼンが検出され、卸売市場として適切な場所とはいえない
▽豊洲は駐車場が不足し、駐車場使用料などが大幅値上げされ業者への影響が大きい
▽移転を強行することは、営業権に対する重大な侵害であり明白な違法行為だ
としています。
要請後の会見で、村木智義共同代表は「青森県大間の漁協は、マグロを豊洲に出さないと言っている。一番我々が悲しむのは、都民の食生活に影響を与えることです」と述べ、山口タイ共同代表(築地女将さん会会長)は「豊洲は嘘と、ごまかしと、隠ぺいでつくられた市場だと思う。市場を守ってきた人たちに、こんな冷たい仕打ちが許されていいのですか」と訴えました。
中澤誠・東京中央市場労組委員長は、都に対し、農水省と同様にメディアにも公開して意見交換の場を設けるよう要望し、要請書とともに市場業者100人余が「営業権侵害が違法であることの通知書」を都に提出したと報告しました。
(2018年9月6付「しんぶん赤旗」より)