東京都が、築地市場(中央区)の移転先とする豊洲新市場(江東区、東京ガス工場跡地)で、地盤沈下による舗装のひび割れを、昨年秋から把握していたにもかかわらず、公表も都議会への報告もしていなかったことが20日、わかりました。
「しんぶん赤旗」の取材に対し、都中央卸売市場新市場整備部が回答。公表しなかった理由について、「安全上問題がないと判断していた」と述べ、18日に公表した11カ所のほかにも「段差のないひび割れ」などは用地内に多数あると答えました。
都は、今月14日の時点では日本共産党都議団の問い合わせに対し、「ひび割れが他にあるかどうかは調査中」と回答。
18日の都議会経済・港湾委員会に、緊急点検の結果11カ所のひび割れを確認したと報告しました。
また、ある関係者は本紙に、用地内で遅くとも半年以上前から少なくとも6カ所でひび割れが起きているのを確認したと証言しました。
関係者が見つけたひび割れ箇所はいずれも、水産仲卸売場棟のある6街区。
都が11日に発表した、同売場棟西側バース(搬出入口)付近の長さ10メートルのひび割れの他に、
(1)水産仲卸売場棟北側のトイレ付近
(2)水産仲卸売場棟の隣の冷蔵庫棟南側
(3)冷蔵庫棟西側
(4)冷蔵庫棟西側向いの道路のへり
(5)冷蔵庫棟と水産仲卸売場棟の間
の5カ所です。
関係者は、「この土地は土壌汚染もひび割れもひどく、維持するだけで多くの経費がかかる。市場をつくるなんてとんでもない」と話しています。
小池百合子都知事は、13日の同市場開場記念式典で、「安全・安心な市場」「高度な衛生管理をする最新鋭の市場」と誇っていました。
(2018年9月21日付「しんぶん赤旗」より)