東京・築地市場の移転先とされる豊洲新市場(東京ガス工場跡地)で地盤沈下による舗装のひび割れが生じている問題で、東京都が移転認可の権限を持つ農水省に事態を説明したのは認可証が交付された後であったことが明らかになりました。
日本共産党の宮本徹衆院議員、山添拓参院議員、都議団が20日、農水省から聞き取りを行った際に同省担当者が明らかにしました。都は、ひび割れを昨秋に把握しながら、農水省への認可申請時には、そのことを隠蔽し報告していなかった疑いがあります。
豊洲新市場への移転について都は、8月1日に農水省に認可を申請、同省は9月10日に認可証を交付しました。
ところが、水産仲卸売場棟西側で幅約10メートル、段差約5センチメートルのひび割れが生じていることを都が公表したのは、認可の翌日(11日)でした。
宮本議員らに農水省の担当者は「11日の会見の直前に都から連絡をいただいた。翌日、都から説明を受けた」と述べ、8月末に同省が豊洲新市場を視察した際にも「(現場は)見ていない」と説明しました。
その上で「(都に対し)情報の提供・発信には注意するよう求めている」と述べました。
聞き取りには、日本共産党都議団の曽根はじめ、尾崎あや子、あぜ上三和子の各都議が参加しました。
ひび割れをめぐっては、都が18日に新たに公表した10カ所を含め、11カ所以上のひび割れを昨秋から把握していたことが20日、本紙の取材で分かっています。
(2018年9月22日付「しんぶん赤旗」より)