日本共産党の尾崎あや子、あぜ上三和子両東京都議は2日の都議会経済・港湾委員会で、築地市場(中央区)の移転先とする豊洲新市場(江東区、東京ガス工場跡地)で、地盤沈下によるひび割れを確認しながら、市場関係者にも農林水産省にも隠していた問題を追及し、移転中止を求めました。
豊洲新市場では昨年から、水産仲卸売場棟(6街区)西側バースで長さ10メートル、高さ5センチの沈下が起きるなど、十数カ所でひび割れが生じていました。尾崎都議は、都がいつ沈下を把握したか、今回発覚した11カ所以外に何カ所でひび割れを把握したか明らかにするよう迫りました。
都中央卸売市場の渡辺正信担当部長は「昨年秋に巡回する中で、沈下のずれやひび割れを認識した」としつつ、箇所数については明確に答えませんでした。
尾崎都議は、都が地盤沈下を「今後収束し、業務に影響は生じない」としていることについて、都が2006年に行った地盤解析では6街区で沈下量を最大59センチ、2011年には最大62センチと算定していたことを指摘。沈下を科学的に解析し、都民や市場関係者に説明するよう求めました。
あぜ上都議は、豊洲新市場の地盤が軟弱で、市場関係者や都民から首都直下地震発生時の液状化に対する懸念が出ていると強調。佐々木宏章担当部長が「説明会の必要はない」としたのに対し、あぜ上氏は地下深くの液状化対策を行っていないことを示し、科学的検証と説明を迫りました。
(2018年10月3日付「しんぶん赤旗」より)