83年間、日本の食生活・食文化を支え続けた東京都築地市場(中央区)が6日、閉場します。
移転先として11日に開場する豊洲新市場(江東区、東京ガス工場跡地)は、土壌汚染問題に加え、施設の欠陥、交通アクセスの悪さ、収支計画の見通しのなさなど、深刻な問題が未解決のまま山積しています。築地の仲卸業者や消費者らは、移転と同市場の解体の中止を求めています。築地市場は、関東大震災後の1935年2月に開設。
かつて貨物列車が乗り入れた扇形の建物は、産地から届いた水産物を卸から仲卸を経て、消費者のもとへ届けるために合理的な構造になっており、専門家から「世界遺産に」と高い評価を受けています。
仲卸業者が長年の経験と知識、全国から集まる情報で産物を適正に評価する独特の「目利き」の力と技で、生産者と消費者を結び、世界に類例のない築地ブランドを確立しています。
老朽化を理由とする市場の豊洲移転を、石原慎太郎知事(当時)が2001年に決定。
都は土壌汚染を除去して「無害化」すると約束しましたが、土壌汚染対策は失敗し、豊洲新市場では今年6月の地下水調査で、環境基準の170倍もの発がん性物質ベンゼンなどが検出されています。
小池百合子知事は、土壌汚染への懸念などを理由に2016年11月に予定されていた豊洲の開場を延期し、昨年、「築地は守る。豊洲は活(い)かす」とする移転方針を決定。しかし、「築地は守る」の約束はほごにし、科学的な根拠のない豊洲の安全宣言を行い、移転を強行しています。
日本共産党都議団は、一貫して豊洲移転に反対し、土壌汚染問題などを追及。2016年には都が土壌汚染対策の建物下の盛り土を行っていなかったことを調査で突き止めました。
(2018年10月6日付「しんぶん赤旗」より)
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