東京都築地市場(中央区)の移転先、豊洲新市場(江東区、東京ガス工場跡地)が11日に開場し、初のセリが行われるなど、営業を開始しました。
しかし、指摘されてきた、施設の欠陥や使い勝手の悪さなどが露呈し、未明から正午近くまで混乱が続きました。
築地市場では、引き続き営業を続ける業者への買い物客を都職員が阻止する場面がありました。
日本共産党都議団は同日昼、新宿駅頭で宣伝し、豊洲開場に抗議しました。【豊洲移転強行】共産党都議団 断固抗議 築地解体の中止訴え/新宿
開場の一日を取材した「しんぶん赤旗」豊洲問題取材班の記事を紹介します。
駐車場も不足し、仲卸業者や買い出し人(飲食店、小売業者など)らも不満を募らせました。
水産仲卸店舗は、間口が築地より狭くなり、「品物が置けない」「長いマグロ包丁が使えない」との声が。
店舗内の湿度が高く、カビの心配や、海水を床に流せないことへの不満の声も上がりました。
市場内で荷物を積む小型運搬車ターレを運転する労働者らは「ターレ用のスロープのカーブが危ない」「坂道を何度も上るためにバッテリーが不足する」と訴えました。
豊洲新市場は築地市場と異なる閉鎖型の施設で、荷物を搬出入口につけたトラックの後ろ扉から搬入することで、外気にさらされず、低温管理(コールドチェーン)を行うとうたっています。
ところが実態は、作業効率のため屋外の駐車場でトレーラーの横ウィング扉を開けるなどの荷降ろしが行われ、コールドチェーンは初日から破綻しました。
また、この日、同市場では、ターレ1台から出火する火事や、歩行者がターレと接触して転倒、負傷する事故もありました。
豊洲移転は、築地市場の老朽化を理由に石原慎太郎知事(当時)が2001年に決定。都は約6,000億円を投じて整備しましたが、土壌汚染対策は失敗しました。
市場業者や消費者、都民から、移転中止・築地市場の現在地再整備を求める声が上がっていますが、小池百合子知事は昨年6月に移転方針を決定し、移転を強行しました。
(2018年10月12日付「しんぶん赤旗」より)
続きの4面「豊洲 混乱の開場ルポ/こんな市場があるか」「築地がやっぱり一番/市民、買い物ツアーで応援」、「しんぶん赤旗」紙面もしくは電子版で、ぜひお読みください。