日本共産党国会議員団は24日、日本経団連が大学生の就職・採用活動のルールを廃止するとしたことを受けて柴山昌彦文部科学相に、就職活動が早期化・長期化・過熱化しないよう、学生の権利を守る実効性あるルールの確立を求めて申し入れしました。
田村智子党副委員長、畑野君枝衆院議員、吉良よし子参院議員が懇談し、ルール作りの方向ではおおむね一致しました。申し入れでは、就活ルールの緩和によって就活時期の早期化や長期化、過熱化によって学生への負担が増えたり、大学教育がおろそかになる事態にならないルールが必要だと指摘。
ルールづくりに際して、
▽会社訪問や面接、内定などの「解禁日」を定めるだけでなく、学生の精神的・経済的負担に配慮し、大学教育と両立できるようにする
▽少なくとも卒業後3年間は「新卒扱い」とし就職差別を行わない
▽違反企業への注意・勧告・企業名の公表などのペナルティーを設ける
▽ルール作りに当事者である学生の意見を反映させる
ことを求めました。
現行の就活ルールでは、会社説明会は3月、選考面接は6月にそれぞれ解禁とし、正式な内定日は10月以降としています。
経団連がそれらを廃止すると表明したことで、学生らから強い懸念の声が上がり、政府は関係省庁連絡会議で現在の2年生(2021年春卒業)までは現行制度を維持する方向性を示しています。
申し入れは内閣府にも行い、応対した中村博治内閣審議官は、今の1年生についても現行を大きく変える必要はない、29日の会合でなんらかのメッセージを出したいと述べました。
(2018年10月25日付「しんぶん赤旗」より)