都有地を福祉活用せよと求めた住民の運動と区議会の共同の力で、認可保育所などの実現に向け大きく動きだしています。
2015年3月までバス車庫だったこの都有地。区は、2015年の6月まで、福祉活用の意向はないと表明していました。
しかし、都交通局が今年6月に発表した定期借地事業者の公募条件定員100人規模の認可保育所やキッズルーム・育成室(学童保育施設) の設置などが盛り込まれました。
都有地の福祉活用を実現させた力の一つは、これまで15回連続して本会議で追及してきた党区議団と他会派との共同です。
2015年の文京区議選(定数34)で、共産党が6から7議席に前進。国政での野党共闘の流れをくんだ共同が発展しました。
区政与党の議員であっても区民要求の内容に応じた態度表明をするようになり、1割台だった請願の採択率が4割台に跳ね上がりました。
新日本婦人の会(新婦人)文京支部が提出した都バス跡地の福祉活用を求める請願が2016年6月と9月に採択され、区議会で共産党の質問に対し、それまで「福祉活用をする予定はない」としていた区長が、福祉インフラ整備について都と協議中と答えたのです。
署名を届けるこの動きを住民運動が後押ししました。
住民らは2017年3月に「都バス大塚支所跡地を区民本位に活用させる会」を設立。
毎月の宣伝で、保育、高齢者施設、公営住宅などへの活用を求める署名に取り組み、約4800人分の署名を都に届けました。
新婦人文京支部の女性は「署名用紙つきビラの全戸配布は大変でしたが、区民に知らせる大きな力になったと思います」と話します。
請願に賛成した日本共産党、ぶんきょう未来(民進<当時>・無所属など)、市民の広場(無所属・社民)、まちづくり(ネット<当時>)の各会派の区議と同会は、共同で区との懇談・要請を3回行いました。
10月31日には、同会の20人が都交通局に「子どもたちの豊かな成長を保障すべきだ」として、園庭やプールの設置を提案する借地事業者を選ぶよう要請しました。
萬立幹夫党区議団幹事長は「毎議会で質問を続けた結果、昨年の都議選でも争点となり、区民の共感を得ました。引き続き区の潤沢な予算を活用して、さらなる区民要望実現に向け、区民の皆さんと力を合わせたい」と話します。
(2018年11月9日付「しんぶん赤旗」笹島みどり記者の記事より)