東京都立病院に勤務する医師が昨年から今年にかけ、「過労死ライン」を大幅に上回る最高で月175時間の時間外労働を行っていたことが分かりました。
1日の都議会厚生委員会で、日本共産党の藤田りょうこ都議の質問に都病院経営本部が明らかにし、「是正を図る」と表明しました。都立小児総合医療センター(府中市)では、医師などの深夜や休日の時間外労働の一部を宿日直扱いし、残業代より安い手当の支給で済ませていました。
しかし、立川労働基準監督署は2016年3月、これらの時間外労働は宿日直とは認められないとして、未払い賃金の支払いを命じ、同センターでは時間外労働として扱うように変えました。
同委員会での藤田都議の追及に、病院経営本部の児玉英一郎経営企画部長は、昨年7月と9月、今年2月に医師11人が80時間を超える時間外労働を行い、今年2月には最高175時間の時間外労働があったと答弁。
月175時間もの残業は労働基準法違反だと認め、「是正を図る」と答えました。
藤田都議は「医師の増員なしには長時間労働の是正は図れない」と強調。
長時間労働を是正するため正確な労働実態を把握するよう求めました。
さらに、国の『過労死等防止対策白書』2018年版では、月80時間を超える時間外労働を行っている医師がいると答えた病院が20.4%、100時間を超える医師がいると答えた病院は12.3%に上ることも紹介。
医師を増やすための国への提言も含めて、医師の労働軽減に積極的な対策を講じるよう求めました。
(2018年11月9日付「しんぶん赤旗」より)