東京都が10月に開場を強行した豊洲市場(江東区、東京ガス工場跡地)の地下水から、最高で環境基準の140倍の発がん性物質ベンゼンが検出されたことが19日、都の調査で分かりました。
猛毒のシアンやヒ素とともに、3つの街区全域にわたって高濃度の汚染物質の検出が続き、汚染が依然として深刻な状態にあることが浮き彫りになりました。
調査は開場直前の7~10月に行ったもの。
10月上旬に、ベンゼン(環境基準は水1リットルあたり0.01ミリグラム)は井戸33カ所中23カ所で環境基準を超え、濃度が最も高かったのは青果売場棟がある5街区の井戸の1.4ミリグラムでした。(グラフ)
検出されてはならないシアンは31カ所中21カ所で検出され、濃度が最も高かったのは水産仲卸売場棟がある6街区の井戸の1.2ミリグラムでした。
ヒ素(環境基準は0.01ミリグラム)は18カ所中12カ所で基準を超え、濃度が最も高かったのは6街区の井戸で8月に検出した0.04ミリグラムでした。
小池百合子知事は昨年、「築地は守る」の公約を踏みにじり、土壌・地下水汚染を「無害化」する約束もほごにして、豊洲移転を強行。
開場直前には、処理前の地下水がマンホールから地表に溢れる事故も起き、市場業者や消費者団体、専門家から厳しい批判が上がっています。
(2018年11月21日付「しんぶん赤旗」より)