日本共産党の米倉春奈都議は22日、都議会文教委員会で2020年東京五輪の柔道会場となる日本武道館の改修費を都が負担する問題を取り上げ、「根拠が不透明」「本来は国が行うべき補助だ」と追及しました。
都は今年3月の予算議会終了後、突如として改修費の負担を発表。ウォーミングアップをする場所などの確保で大規模増改修が必要だとして、議会に諮ることなく補助金支出を決めました。
日本武道館は1964年東京五輪の柔道会場として国費を使って建設され、国が認定する公益財団法人が管理運営する民間施設です。
米倉都議は、3年前に都の担当局が知事に対して行った説明では、民間施設の武道館に直接支出を行うことに「公益性・公平性の観点から課題が多く、慎重な検討が必要」としていたことを示し、経過の説明を求めました。
しかし、都は武道館との話し合いの経緯には触れず、都が25億4000万円を補助金として負担し、国はサッカーくじから20億円を助成することになったとだけ答えました。
また、この補助金は五輪予算の都負担分6000億円に含まれないことも明らかになりました。
米倉都議は武道館の改修費が、市区町村のスポーツ施設整備への補助予算から支出される問題も指摘。
「趣旨がまったく違う。議会に議案として出すべき案件で、都民の理解は得られない」と批判しました。
オリンピック・パラリンピック準備局の潮田勉(うしおだ・つとむ)局長は、「招致計画策定時から会場を依頼した開催都市としての責任がある」と苦しい答弁。
米倉都議は「だったらなぜ五輪予算に入れず、議会にも話せないのか」と反論し、補助金支出の再検討を求めました。
(2018年11月23日付「しんぶん赤旗」より)