東京都は28日、築地市場の豊洲市場への移転をめぐる関係局長会議を開き、築地市場跡地の「再開発」にあたり、跡地の売却(有償所管替え)を視野に入れて収支見通しの試算をやり直す方針を確認しました。
小池百合子知事の「築地は守る」という都民への約束との整合性が厳しく問われます。
方針の背景には、豊移転のための約6000億円もの過大な整備費を補う企業債の返済が重荷になっていることがあります。
都が設置した市場問題プロジェクトチームの報告書(2017年6月)では、豊洲市場を開場した場合、都中央卸売市場会計は年100億~150億円の赤字が続くと指摘。
これに対し都は同月、
▽築地市場跡地を売却した場合、経常収支で年130億~140億円の赤字となる
▽跡地を長期貸し付けした場合は、地代収入により経常収支は年20億~30億円の黒字になる
と試算しました。
どちらの場合でも資金繰りが悪化する見込みで、豊洲移転方針の破綻を財政面から示すものとなっていました。
この日の局長会議で都は「築地再開発の検討や豊洲開場など環境の変化を踏まえて、改めて収支試算を行う」「一般会計に所管替えして開発を具体化することも視野に入れて検討する」としました。
小池知事は会議後、 記者団に対し「年明けの予算発表の段階で結論を明らかにする」と語りました。
(2018年11月29日付「しんぶん赤旗」より)