米兵による降下訓練中のパラシュートの切り離しや装備の一部の紛失などの事故が連続した横田基地(東京都多摩地域)で14日、米軍が降下訓練を再開しました。
15日も午前10時から3回実施。横田基地配備の米空軍C130J輸送機2機を使用し、計12人が降下しました。周辺では、住民でつくる「横田基地の撤去を求める西多摩の会」が監視活動を実施。
同会や周辺住民の目撃情報によると「成人の日」の14日も高高度で輸送機から跳び低高度でパラシュートを開く訓練を行いました。
午前8時20分~11時38分に、5~6人ずつ10回程度、約50人が降下しました。
米軍は、防衛省北関東防衛局を通じて周辺自治体に14~17日に延べ150~200人程度が降下を予定と通告。事故を起こしたものと同型のパラシュートを一時使用禁止にするとする一方で、14日からの降下訓練については、別部隊が別型のパラシュートで実施するとしていました。
また、原因を特定し再開しても問題ないと判断するまで停止するとしていた高高度訓練も、わずか5日後に再開したことになります。
東京都と周辺市町連絡協議会は、訓練の再開に対し、
▽同型のパラシュートを使用しないこと
▽「成人の日」は実施しないこと
を要請していました。
横田基地でのパラシュート訓練では、8・9日と連続して米軍兵士のメインパラシュートが開かずに降下した事故が発生。
米軍は使用したパラシュートを一時使用停止することを決定したものの、事故とは違う型のパラシュートであることを理由に、150~200人規模のパラシュート訓練を行うことを表明していました。
応対した高原俊幸・都市整備局基地対策部長は「横田基地に関する都と周辺市町連絡協議会として、従来から、国と米軍に対し、土日・祝日、特別な日には飛行訓練を行わないことを要請してきており、事故を起こして間もない時点で再開したことに遺憾の意を伝えた」と述べました。
党都議団からは
「事故を起こしても訓練をやり、休日はやらないということも守られていない。厳しく抗議してほしい」
「原因が解明されていないにもかかわらず再開するような、やりたい放題を許していては、大きな事故になりかねない」
との指摘が相次ぎました。
(2019年1月16日付「しんぶん赤旗」より)