昨年、東京都が閉場・豊洲移転を強行した築地市場(中央区)に隣接する築地場外市場で5日、日本共産党の都議団、区議団、地区委員会が商店や飲食店を回り、聞き取りアンケート調査(昨年11月から4回目)を行いました。
調査には、大山とも子、尾崎あや子、あぜ上三和子の各都議、おぐり智恵子、志村たかよし、加藤ひろし、奥村あきこの各区議が参加しました。観光客のにぎわいが落ち着きを見せた午後の場外市場。
海鮮丼屋では、「ラストオーダーだよー。どうですかー」と観光客らに声をかけていました。
イクラなど魚卵を売る田所食品の女性(77)は、「年末(商戦の売り上げ)はよかったけど、今は2割くらい減っています」。
大山都議が築地市場跡地について要望を聞くと、「カジノは嫌です」ときっぱり。
イカなどの干物を売る乾物屋の女性(62)は、「場外市場での食べ歩きの客は多いけど、物販は厳しいですね。買い物袋を下げている人が少ないでしょ」と話しました。
マグロ専門店の男性(48)は、豊洲市場と築地の往復の大変さを説明。
「朝の3時からこっち(場外市場)で 仕込み。4時半には仕込みを終え豊洲に行って競りをする。豊洲で仲卸の営業を終えてから場外市場に戻って、観光客などに小売り販売しているけど、その時に豊洲から(買い出し人からの)追加注文があっても大変です」と嘆きました。
市場の移転については、「できればずっと延期してほしかった」と本音を漏らしました。
この日、調査団が聞き取りした業者は25件。出された意見や感想では、
「売り上げが下がった」(9件)。「朝方のお客さんが減った」(加工食品店)という市場移転後の影響を語る意見がありました。
また「買い物客を増やすためのイベントを計画している」(マグロ専門店)という声も。
場内・場外で一体で機能してきた築地が分断されたことに対し、少しでも改善しようと豊洲市場と築地場外市場を結ぶバスの運行を望む声もありました。
アンケートでは「可能なら市場は築地に戻ってきてほしいですか」の問いに「はい」と回答する業者が多くありました。
調査を終えたおぐり氏は「これまでも調査で出された意見を議会で紹介して、区としても調査するよう求めてきました。区議団として聞き取った意見を受け止めて、引き続き区に要望していきたい」と語りました。
(2019年2月6日付「しんぶん赤旗」)