米国からの兵器の大量購入を決めた安倍政権が、105機の追加取得を行うF35ステルス戦闘機について、岩屋毅防衛相は15日の衆院予算委員会で、米政府監査院(GAO)が報告で示したF35の未解決の欠陥966件(2018年1月時点)の「リストは保有していない」と述べ、同機の欠陥を把握していないことを認めました。
日本共産党の宮本徹議員への答弁。
宮本議員は、F35のコスト急増問題に加え、「どういう欠陥があるかもわからないまま105機も爆買いするのか」と批判しました。
宮本議員は、米国防総省や監査院の報告書によれば、2017年にF35のパイロットの酸素欠乏が6回も起きるなど、呼吸調節装置が頻繁に故障し、墜落の危険もあると強調。
原因究明はされたのかとただすと、岩屋防衛相は「米国防総省が原因の調査を行っている」と述べ、改善されていないことを認めました。
岩屋防衛相は「米国政府がいかなる契約仕様としているか承知していない」とする一方、「わが国の仕様は満たしている」と強弁しました。
政府が「有力な候補機の一つ」とするのがF35B。
宮本議員は、同機のタイヤに耐久性がなく、着陸回数10回未満だとした監査院の報告を挙げ、タイヤの価格やF35Bの維持費はいくらかとただしました。
岩屋防衛相は「ロッキード・マーティン社が新しいタイヤの開発を行っている」「タイヤ一組の価格や、維持費について公表された情報は承知していない」と答えられませんでした。
宮本議員は「F35の実態は未完の戦闘機だ。車でいえば新車を毎年リコールし続けるようなもの」と痛烈に批判し、大軍拡・爆買いをやめ、国民生活にまわすべきだと主張しました。
宮本議員は衆院予算委員会で15日、米国製兵器の「浪費的爆買い」に走る安倍政権のもとで、有償軍事援助(FMS)に基づく国別契約額では、日本が2010年に13位だったものの、2016、2017両年には3位へと急浮上したことを明らかにしました。
FMSは、米政府が国内法に基づき、同盟国や友好国に対し装備品や役務を有償で提供する制度。
兵器の価格や納期などが米側の都合で決められます。
宮本議員は、2010~2017の米会計年度ごとでみるFMS契約金額の順位を示しました(表)。
日本の契約金額は2010年に4億8,424万7千ドルだったのが、2017年には38億3,710万5千ドルへと急増しています。
宮本議員は、2017年の上位5カ国は、カタール、サウジアラビア、日本、イスラエル、イラクだと言及。
「上位5カ国で日本以外は軍事作戦をやっている国だ。そうした国と同じほどFMSで米国製兵器を買うのは異常だ」と批判しました。
(2019年2月16日付「しんぶん赤旗」より)