日本共産党の山添拓議員は20日の参院資源エネルギー問題調査会で、「原発は安価な電力」との主張には根拠がなく、実際に存在しない新設原発からでっち上げた虚構の試算にすぎない実態を明らかにしました。
「2014年モデルプラント」(2014年時点で新設された発電プラントごとの40年間の総費用と総発電量)に基づき、原発コストを1キロワットあたり10.1円とする試算が、政府や原発推進勢力の「原発は安い」との主張の根拠となっています。一方、東京電力福島第1原発事故後に策定された新規制基準には新設原発の安全性能規定はなく、政府が昨年策定した第5次エネルギー基本計画には原発新増設さえ含まれていません。
山添議員は、「モデルプラント」試算は、存在もせず基準もない新設原発を前提にコストを論じるものだと批判。
安全対策に伴う建設費高騰による原発輸出の総破綻も示しつつ、既存原発の再稼働の是非が議論になっているのに、虚構の新設原発の試算を前提に「安い」とするのは、「意図的な混同」だと指摘し、「膨れ上がる追加安全対策費と事故対応費、停止中原発の維持費、今後の稼働期間、廃炉費用など全てを考慮した試算を示すべきだ」と主張しました。
経済産業省資源エネルギー庁の村瀬佳史電力・ガス事業部長は、再稼働による燃料費節約と値下げで国民に還元される余地が生じたとする一方、政府は原発再稼働の電力コスト計算を行っていないと認め、「原発は安価」の主張に根拠がないことがいっそう明らかになりました。
(2019年2月26日付「しんぶん赤旗」より)