不当な雇止め撤回を 東電グループ作業員

「請負の生活を守りたい」労働組合つくりたたかう
 東京電力グループで電気メーターの交換に携わる作業員たちの労組(全労連・全国一般東京地本一般合同労組・計器工事関連分会)が、雇止め通告を受けている高野清さんの雇用や自分たちの生活を守ろうと果敢にたたかっています。
争点は作業員に労働者性を認めること。労働者を請負、委託に切り替える安倍政権の働き方改革と切り結ぶたたかいです。

 労組を結成したのは東電の電気メーターの交換に携わる作業員のうち、以前は東光高岳株式会社と、現在はワットラインサービスと契約している人たちです。
 これらの人たちは長く東光電気厚生会(厚生会)という労災保険団体を通して、東光高岳株式会社やワットラインサービス株式会社に要望を上げていましたが、厚生会以外の法人や個人が工事を落札することが増えたころから、会社側の一方的な管理も強まっていったといいます。
 会社側は、高野さんら11人の作業員の雇止めを、3月末に強行しようとしています。高野さんは18年6月、メーターに内設する時計の設定を失念したことを東電から連絡を受けて知ったワットラインサービスから、「明日から気を付けるように」とライン(通信アプリ)を通じて指導されました。
 ところがこのことが11月の面談で会社側から、さかのぼって問題視され、一方的に変えた罰則規定によって「特別ルール」だとして罰則対象にされました。高野さんは「とても納得できません。処罰を撤回してもらい働き続けたい」と訴えています。

「生活守る労組に」
 全国一般東京が16日に開いた決起集会で、高野さんら組合員は、請負といっても、生活をワットラインが支払う報酬によって維持していることや、東電グループ東光電気の誰誰ですとあいさつし、東電の作業員証を携帯して仕事をするよう指導されてきた実態から、実際は労働者で、東電と関係が強いと話しました。
 ある組合員は、「12月に3人目の子どもが生まれました。妻は以前は働いていましたが、今は子育てで就労していません。そんな中で雇止めがされたり、現在行っているメーター交換の後の仕事量がわからないことは不安です」と発言。
 分会長の渡辺清さん(55)は、「請負だというけれど実態は偽装請負じゃないでしょうか。労組結成の準備段階では有志で労働法を学び、東電天下りの役員と肩を並べて話し合いたいと一致して結成に踏み切った経緯があります。生活を守りたい、ここで働きたい後輩を守れる労組作りに、全国一般の団結の力を借りながら取り組んでいく」と話しました。
 組合員が請負契約しているワットラインサービスは2015年、名称を変更して東電パワーグリッドの所有するスマートメーカーの付け替え工事の施行会社として生まれた、東光高岳株式会社の子会社です。
 そして東光高岳は、東電グループの送電事業を担う東電パワーグリッドと強いつながりを持っています。公益性を持つ東電が傘下の労働者を雇止めすることがあってはならないと関係者は話します。

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