都議会は2月26~28日、本会議を開き、小池百合子知事の施政方針に対する代表質問と一般質問を行いました。共産党からは代表質問に清水ひで子(26日)、一般質問(27日)に星見てい子、原田あきらの各都議が立ちました。
清水都議は20年五輪・パラリンピックの招致活動を巡る贈賄疑惑について、「2億円余が誰に流れ、どのように使われたのか、ブラックボックスの状態を放置することは許されない」と真相解明を強く求めました。小池知事は「ロビー活動などは招致委員会が担当しており、公費も支出していなかったと聞いている」とし、フランス司法当局の捜査の推移を見守り、状況に応じて必要な対応を行うとしました。
高齢者福祉
清水都議は高齢者一人あたりの高齢者福祉費が16年度1万2700円から18年度1万1600円に減っていることを指摘。小池知事が施政方針で「世界に類を見ない規模と速度で進む高齢化への対策は待ったなし」と表明したことをあげ、「そのためには高齢者福祉に光を当てて、予算を思い切って増やし、抜本的に拡充していくことが必要だ」と指摘。特別養護老人ホームの整備促進や認知症高齢者への支援、「聞こえの支援」などをただしました。
知事は「予算案には整備用地の確保や施設職員の負担軽減等を盛り込んでおり、今後とも特養老人ホームの整備を促進していく」と答えました。
児童虐待防止
清水都議は都が提案する児童虐待防止条例案の前文に、子どもがあらゆる場面で「権利の主体として尊重される必要がある」ことが明記されたことを評価。その上で清水都議は体罰について、「子どもの尊厳を損なう行為であり、発達にも悪影響を与えるとされており、明確に禁止することが重要だ」と主張。
「保護者が体罰によらない子育てを学び、実践するための支援が必要」とのべ、都の取り組みをただしました。また、子どもが権利の主体であることを体現した一時保護所を実現するための施設設備と職員配置の抜本的拡充を求めました。
内藤淳福祉保健局長は「来年度は一時保護所の定員拡大を図るとともに、夜間の見守りや心理的ケアの体制を強化するため、専門職を増員することにした」とのべ、児童福祉審議会専門部会で、今月開始した一時保護児童への支援体制の強化策等の検討も、引き続き進めていくとしました。
待機児童解消
小池知事は2019年度末までの待機児童ゼロを公約しています。清水都議は新年度予算案で実現の展望を示せていないと指摘し、あと一年で待機児童ゼロにする道筋を示すよう要求。その際「公立保育園を含め認可保育園の増設を中心に量の確保と、質の向上の両方を同時に進めることが重要だ」と強調しました。
小池知事は「区市町村としっかり連携しながら、2019年度末までの待機児童解消に向けて保育サービスの整備を進める」と答えました。
学校冷房化
新年度予算案には、学校体育館の空調設置補助を拡充し、都の3分の2補助の継続、国庫補助がつかなかった場合の都の支援、さらにリース契約に対する都の独自補助や推進のための職員の増員などを盛り込んでいます。
清水都議はこの予算を評価した上で、PTAなどから要望がある中学や高校の武道場や専門高校の実習室へのエアコン設置にも柔軟に対応するよう提案。中井教育長は専門高校の実習室については、使用実態を踏まえて空調施設の必要性を個別に判断しているとし、区市町村立学校については、学校体育館とともに武道場の空調施設も補助すると答えました。
住宅政策、防災対策
都は住宅政策本部を都市整備局から切り離し、住宅の専管組織をつくりました。清水都議は「歓迎する」と表明。「本部設置を機に住宅政策を抜本的拡充することが重要」だとして、住宅局への発展を求めました。
小池知事は「住宅行政の体制を強化し、都民の豊かな住生活の実現と持続に向けて着実に政策を展開する」とし、住宅局への発展については、「2020年以降を見据えて検討を進めていく」と答えました。