日本共産党の山添拓議員は15日の参院予算委員会で、地域医療に従事する医師らの時間外労働の上限に関する厚生労働省の提案について、「規制の体をなしておらず、途方もない長時間労働にお墨付きを与えるものだ」と批判しました。
厚労省案は、2024年度から一般的な医療機関の医師は「原則月100時間未満、年960時間以内」とする一方、地域医療を担う医師の場合は「特例水準」を設けて「年1860時間」とするもの。今月末にも検討会で報告書をまとめる方針です。
山添議員は「過労死ラインの2倍の水準だ」と指摘し、労働時間の上位10%のみを規制対象とする理由を質問。
根本匠厚労相は「健康確保措置を講じる」などとするだけで答えられませんでした。
山添議員は、「特例水準」以外の医師の残業も、「臨時的な必要」がある場合と言いながら、1年を通して過労死水準の残業を可能にしていると指摘。
吉田学医政局長は「臨時的な必要性が生じる時期・頻度が予見不可能」とし、山添議員は「ずっと繁忙期だということになる。医師不足の問題だ」と述べました。
山添議員が月100時間を超えた場合の上限はあるかとただしたの対し、吉田氏は今後の検討課題とするにとどまりました。
山添議員は、100時間に達する前の医師による面接指導の実施も、同じ職場の上司や同僚などに認められているとし、「これではドクターストップは期待できない」と指摘しました。
(2019年3月16日付「しんぶん赤旗」より)