日本共産党の宮本徹議員は12日の衆院国土交通委員会で、羽田空港発着便の増便のため政府が都心上空を低空飛行する新ルートを計画している問題に関し、3月に東京都の品川、渋谷両区議会が安全上の懸念から全会一致で計画見直しを求めたと指摘し、地元の合意のない計画の撤回を求めました。
政府は「地元の理解を得て実現する」と説明してきましたが、石井啓一国交相は「地元には関係地域の地方議会も含まれる」としながら「より多くの理解を得られるよう努める」と繰り返しました。宮本議員は、国際線の増加予定約50便のうち、24便が日米路線に割り当てられると指摘し、計画は米国政府の求めに追従するものだと批判。
昨年の訪日数が中国から838万人、韓国から754万人に対し、米国からは約150万人だったとして約半数を日米路線が占める増加枠の配分に疑問を呈しました。
宮本議員は、前回の日米交渉でも、米国通商代表部(USTR)が2014、2015年の「外国貿易障壁報告書」で「米国企業による羽田空港への商業的に意義あるアクセスの拡大」などを要求し、これに沿う形で米国便の発着枠の拡大が決まったと指摘。
2019年の同報告も米国航空会社の発着枠拡大を求めており、米国の国益に応えているのが政府の姿勢だと追及しました。
石井氏は増加枠の配分について「米国の訪日需要を成長力として取り込むため」などと釈明。
宮本議員は「米国をおもんばかるのではなく、国民生活を守るべきだ」と強調しました。
(2019年4月14日付「しんぶん赤旗」より)