畳床、クロス 公社負担に 運動と共産党質問実る
都内に約7万戸ある東京都住宅供給公社の居住者に、待たれていたうれしいニュースです。一般賃貸住宅で、修繕費用の住民負担が大幅に軽減されます。住民要望や運動と結んで日本共産党が国会、都議会で繰り返し質問する中で実現したもので、今年の9月2日から適用されます。 (長沢宏幸)
見直しは3月27日に公社が発表。34項目あった修繕負担のうち住民の負担を11項目にしぼり、それ以外の23項目(表)は住民の申し出により、公社でその原因や状況を調査し、負担区分・内容を特定した上で修繕などを行います。
今回、公社負担となった「畳床の取り替え」「ふすまの骨や縁の取り替え」「壁や天井のビニールクロスの部分張り替え」などは、これまで住民負担でした。
長年の暮らしで
しかし長年暮らしていれば、汚れが目立ったり、傷んだりするのは当然で、住民からは「家主(公社)が負担してほしい」との要望が出ていました。とりわけ居住者の高齢化が進み、年金生活者が増加し収入も減少するなか、住民にとって修繕負担は重いものとなっています。
築54年の本町田住宅(町田市、25棟、916戸)に、約40年間居住する伊藤麗丸さん(84)の部屋も同様で、畳がくぼんで敷居との間に1㌢㍍以上の段差ができていました。伊藤さんは「(畳床は)大家さん(公社)の負担で直してくれるようになると聞いてよかった。できれば畳も古くなっているので(公社負担で)取り替えてほしい」と話します。
UR住宅で先行
公的賃貸住宅の修繕負担区分の見直しは民法改正を契機に、国土交通省が「賃貸住宅標準契約書」を見直す中、18年末にUR(旧公団住宅)賃貸住宅で先行的に行われ、81項目の修繕項目の約8割をUR負担として、住民から喜ばれています。運動や住民の声と結んで共産党議員が国会で繰り返し質問したものが実りました。
公社住宅についても、同住宅の自治会でつくる東京都公社住宅自治会協議会などが住民負担の軽減を求めていました。18年9月、こうした動きの中で日本共産党の星見てい子都議が都議会都市整備委員会でいち早く取り上げ、都は「公社につきましては、この民法改正と賃貸住宅標準契約書の改定につきましても、認識をしている」「今後、公社において適切に対応していくものと考えている」と答弁しました。
同年末にUR賃貸住宅の修繕負担区分の見直しの発表を受け、改めて共産党都議団は公社への申し入れも行っています。公社住宅の修繕負担区分の見直しは、こうしたなかで実現したもので、内容はUR賃貸住宅と基本的に同様です。
負担の見直し、さらに 共産党 星見てい子都議の話
今回の負担区分の見直しは、住民にも喜ばれ、大きな改善です。しかし、賃貸住宅標準契約書では畳表、ふすまの張替え、障子の張替え、給水栓、LED照明の取り換えについても家主負担となっています。畳床や畳の取り換えには、家具の移動が必要ですが、高齢者には大きな負担となります。こうした問題も改善されるよう引き続き求めていきたい。