共産党 参院選勝利へ全力
今夏参院選の前哨戦となる統一地方選後半戦が4月21日投開票されました(6区は22日開票)。東京では議員選挙は62区市町村のうち20区20市2町4村、首長選は11区5市1町1村で行われました。このうち日本共産党は20区20市2町1村に251人を擁立し、177人が当選。5区15市2町1村で全員当選を果たしたものの、前回4年前と比べて合計で22議席の後退となりました。一方、前回衆院選(17年10月)比例との比較で、得票率では1.62%の前進でした。各党は今回の結果を受けて、衆院選との同日選挙も視野に入れながら、参院選に向けて総力をあげます。
清瀬市 5人当選で議会招集権
清瀬市議選は定数20に対し25人が立候補。5人を擁立した共産党は合計得票で前回比147票増の6008票(得票率19.1%)を獲得(投票率52.46%)し、全員当選で1議席増を果たし、議会第一党に躍進しました。議席占有率は25%となり、議会招集権を獲得しました。
他党の当選者数は公明4(得票率17.7%)、立憲民主党2(同9.6%)、生活者ネット1(同4.2%)、自民党4(含む推薦3、同23.4%)。
保守系が分裂し三つ巴となった市長選(投票率52.48%)は、共産党と自由党、社民党、緑の党、「共に生きる」が推薦した新人の池田いづみ氏(無所属・新人)が9439票(29.9%)を獲得。当選には至らなかったものの、自民党推薦候補を上回る大健闘でした。当選は現職の渋谷金太郎氏。
自民、公明両党が支えてきた渋谷市政のもとで、ごみ袋代や国民健康保険税、コミバス料金など市民負担増を押しつける一方、市役所の立て替えには54億円もつぎ込む計画を進めています。
共産党は就学援助の入学準備金の増額や給付前倒し、国保税の子どもの均等割減免、保育園定員増など、市民の声を力に市政を動かしてきた実績を宣伝。同時に「市民と野党の共同を進める共産党を5人に伸ばし、市民負担増計画をストップさせよう」「暮らし・福祉を応援する希望ある清瀬をつくろう」「共産党全員当選で自公が過半数の議会を変えよう」と訴え、支持と共感を広げました。
開票翌日の22日早朝、当選を決めた佐々木あつ子、原田ひろみ、深沢まさ子、山崎美和(以上現)、香川やすのり(新)の5氏は西武池袋線清瀬駅のデッキにそろって立ち、開票結果を元気に報告。市民から「おめでとう、よかったね」との祝福の声がかかりました。
初挑戦で当選を果たした香川さん(42)は「不安な毎日でしたが、共産党の支部や地域のみなさんのご協力で当選できました。障害のある子の親として、身をもって生活しづらい体験をもとに、バリアフリーの街づくりや暮らしの問題を訴え、多くの共感を得られたのではないか。消費増税の問題も地元商店街では深刻です。地域のみなさんの期待を裏切らないように頑張りたい」と力を込めました。
全員当選 5区15市2町1村で 前回比で22減
前回比を区市町村別で見ると、区議選は21議席、市議選は2議席それぞれ後退。村議選は1議席の前進、町議選は維持でした。
千代田、目黒、荒川、板橋、北の各区では全員当選し、改選議席を維持。市部では東村山が2議席、清瀬、稲城の各市、御蔵島村でそれぞれ1議席を増やしました。一方、江東区で5人が落選し、改選比で4議席減、新宿、世田谷両区で各3人が落選、改選比で各2議席後退しました。
自民・公明も後退
区部で大量擁立した自民党は世田谷区で6人、目黒区は現職4人を含む5人、北区では5人など多数の落選者を出すなど、前回より6議席後退。候補者を絞った公明党も、全員当選したものの前回比で13議席減らしました。
結党後、初めての統一地方選となった立憲民主党は113議席、国民民主党は17議席をそれぞれ獲得。前回の民主党の獲得議席は115議席で、立民、国民の議席合計がわずかに上回りました。
小池百合子知事が特別顧問を務める都民ファーストの会は17市区議選に28人を擁立し、24人が当選しました(表参照)。
期待広げた訴え
日本共産党は安倍政治への審判、地方政治の転換を掲げ、「自公対共産党」の対決構図を鮮明にし、消費税の10%増税ストップ、高すぎる国民健康保険料の引き下げなど、攻勢的な論戦を行いました。
選挙中、政府・与党から消費増税への動揺が生まれました。
1兆円の公費投入で国保引き下げの展望を示す訴えは、有権者の期待を集め、他陣営が「区民の健康を増進して国保会計を改善する」(公明)など、言い訳を始めるまでになりました。
また産科・小児科の充実や保育園の待機児童問題、特別養護老人ホームの増設など住民の身近な暮らしの問題を取り上げ、地方議員のかけがえのない値打ちや実績の訴えにも、大きな共感が寄せられました。
一方、「共産党の○○さんは大丈夫」など、根拠のないうわさを意図的に流されるなど、投票日まで一票を争う激しい選挙戦になりました。
共産党は都全体では議席後退の結果にはなりましたが、1票差で落選した港区の猪熊正一候補(現)、3人が落選した新宿区では最下位当選者との差36票の間に現職3人が並んで落選。一方、全員当選した千代田区では木村正明候補が4票差で最下位当選するなど、まさに僅差で明暗を分けた選挙区が少なくありませんでした。
日本共産党東京都委員会は、参院選公示まで2カ月余りに迫るなか、野党共闘の前進と参院選比例での躍進、吉良よし子参院議員の再選を必ずかちとるために、勝利に必要な宣伝・組織活動にただちに取り組み、その中で「強く大きな党をつくろう」と呼びかけています。
荒川区 多数激戦のなか全員当選
日本共産党6人が全員当選し、改選比で1議席増を果たした荒川区では、議員団の実績、消費税10%増税の問題を語り広げ、日本共産党を伸ばして増税計画を止めよう、住民の切実な願いを実現しようと訴えてきました。前回比で得票を減らしましたが、17年総選挙の比例票との比較では3695票の増で138%でした。
選挙戦は定数32に対し新人18人、現職23人の41人が立候補する多数激戦でした。自民党は前回と同数の立候補で、手堅く闘いましたが、現、新2人が落選しました。
日本共産党は新人の2人の女性候補と現職4人の候補者で現有議席の確保を目指しました。相馬けんいち区議の議席を引き継ぐ初挑戦の娘の相馬ゆう子さん(36)は、マンションが並び立つ活動地域の南千住を周り、3976票でトップ当選を果たしました。
7期目の当選を果たした横山幸次さんは「選挙中に訴えた消費税増税中止、暮らし応援の区政実現に、新しい区議団で頑張りたい」と話します。鈴木賢一党地区委員長は、「今回の選挙勝利を力に、区民のみなさんの期待に応えて公約実現に全力をあげ、続く参議院選挙で政治革新にむけて奮闘する」と決意を語りました。
千代田区 暮らし支える提案に共感
千代田区では日本共産党の候補者3人が合計1841票(得票率7.9%)を得票して全員、当選を果たしました。
日本共産党は消費税10%ストップを大きく掲げ、選挙中に萩生田光一幹事長代行が「増税延期もありうる」と発言したのを受け、「世論の後押しで、政府が動揺している」と一貫して攻勢的に訴え抜きました。
選挙は定数25に対し37人が立候補する多数激戦でした。中でも自民党は17人を立て、現職1新人2の3人の落選となりました。
各候補者が、区内の就学前の子どもの人数がこの4年間で倍加したのを受け、子育て世代への浸透を図りました。共産党は、認可保育園の増設と共に、子どもの願いである「ボール遊びのできる遊び場」の増設を訴えて共感を広げました。
中村尚美地区委員長は、「議員団の実績とともに、区民の暮らしを支える5項目の具体的な提案(遊び場増設・国保料引き下げ・75歳以上の医療費負担の軽減・認可保育園の増設・大型開発から住環境を守るルール作り)を訴えて共感を広げることができました。区民のみなさんから寄せられた期待に応え、公約実現と夏に行われる参議院選挙での躍進に向け、全力をあげる」と話しています。