性的指向や性自認(性別の自己認識)にかかわらず、すべての人が自分らしく誇りを持って生きられる社会をめざすイベント「東京レインボープライド2019」が28・29日、東京都渋谷区で開かれました。
パレードには過去最高の1万915人が参加。
参加者はイベントのテーマ「I HAVE PRIDE(私にはプライドがある)」と書かれた横断幕を掲げ、多様性を象徴する虹色の旗でアピールしました。
トランスジェンダー(心と体の性が一致しない人)の家族がいるという東京都武蔵野市の女性は「杉田水脈衆院議員の『LGBTのカップルに生産性がない』発言で自民党本部に抗議した。性的少数者が自然に受け止められる社会になってほしい」と話しました。
今年のテーマは「私にはプライドがある―あるがままを誇ろう」。
1969年6月にニューヨークで性的少数者たちが平等な権利を求める行動を起こして50年、世界で「プライド」と称される性的少数者のパレードイベントが定着しています。
日本で初のプライドパレードが行われたのは1994年で、25年の節目となります。
代々木公園を出発したパレードは、虹色のグッズを身につけるなど思い思いの装いで「ハッピープライド!」と唱和しながら1万人超が行進しました。
沿道から賛同の手振りや拍手が送られ、参加者とハイタッチする光景もありました。
各党国会・地方議員らがパレードに参加。日本共産党から小池晃書記局長、吉良よし子・山添拓両参院議員(東京選挙区)、池内さおり前衆院議員が歩きました。
統一地方選では性的少数者当事者の共産党議員が新たに誕生。
レインボープライド開催にあたり小池書記局長は「最も変わらなければならないのが政治の場」「意思決定の場に多様なマイノリティーが参加することは、公平で公正な社会をつくる上でも決定的に重要」とメッセージを寄せ、引き続き努力していきたいと表明しています。
「結婚の自由をすべての人に」と書かれた同性婚法制化を求める裁判のオリジナルタオルを首にかけた女性(29)は千葉県から参加。
性的少数者の当事者として「周りの人に『結婚しないの?』と聞かれるたびにつらい。ここに来ると自分は独りじゃないと思える。そんな人がたくさんいることを社会に訴える機会になってほしい」と話しました。
東京都内に住む男性(24)は、シールにメッセージを書き込んで貼るコーナーで「十人十色」と書きました。「LGBTを含め、いろんな人の思いや個性を尊重する考えが広まればいいな」
(2019年4月29日付「しんぶん赤旗」より)