東京外環道の大深度地下トンネル(東京都練馬区~世田谷区間、約16キロ)建設に向けた国と都の認可は違法だとして、沿線住民が無効確認などを求めた訴訟の第5回口頭弁論が14日、東京地裁で開かれました。
原告2人が陳述。調布市に住む原告の女性は「自宅のある地域は仙川が流れる軟弱地盤で、地盤沈下や陥没の危険がある。しかし事業者の説明は適当に住民をあしらうだけだ。住み慣れた地で生きる幸せを、土砂と一緒に掘り取らないでほしい」と訴えました。
原告の男性は「トンネル上部の野川で、一呼吸で死に至る酸素濃度の気泡が噴出し続けたが、井戸や地下室などで噴出した時の危険性を質問しても、事業者は答えない。沿線ではさらに振動被害の訴えも出ている。国は調査と対策を行うべきだ」と述べました。原告代理人の武内更一弁護士は「大深度法の適用自体が、地上に住む人の承諾や補償を抜きにして地下を使うためのもので、憲法29条(財産権)違反だ。『トンネルを建設しても地上は安全』との保証がなく、トンネル建設は認められない」と批判しました。
原告らは弁論終了後、千代田区内で報告集会を開きました。
日本共産党の山添拓参院議員が「外環道の地上で『振動が起きた』との問い合わせが続出している。引き続き国会でも追及する」とあいさつ。
立憲民主党の初鹿明博衆院議員も紹介されました。
(2018年5月16日付「しんぶん赤旗」より)