70歳以上の高齢者の約半数がなるといわれる加齢性難聴。
その改善に欠かせない補聴器の購入補助などについて、日本共産党都議団は2012年から都に支援を求めてきました。
今年4月、吉良よし子参院議員らが厚生労働省に、補聴器購入の補助などを要請した記事が「しんぶん赤旗」地方・総合ページに掲載されましたので、紹介します。
言葉が聞こえにくくなると認知機能が低下し、コミュニケーションにも支障が出て社会的に孤立することで、認知症のリスクが高まります。
難聴になったら、なるベく早い補聴器の使用が聞こえの改善にとって大切です。
しかし、補聴器は15万~30万円ほどと高価で、年金暮らしの高齢者には手が届きません。
補聴器購入の公的補助は障害者手帳を持つ重度の難聴者に限られています。
欧米諸国では医療の問題として補助が行われています。
そのため、難聴の人の補聴器所有率は、イギリス47.6%、フランス41.0%、ドイツ36.9%、アメリカ30.2%と比べ、日本は14.4%と非常に低くなっています。
日本共産党東京都議団は2012年9月、「難聴者支援にかんする東京都への提言」を発表。
都に対し、高齢者への補聴器購入助成制度の創設、補聴器使用の相談体制の充実、周りの音に邪魔されずに目的の音声を信号で補聴器に送信する磁気ループの都有施設への設置や家庭への設置支援などを求めました。
大山とも子都議は昨年3月26日の都議会予算特別委員会で、難聴者支援、「聞こえのバリアフリー」に取り組むよう小池百合子知事に求めました。
小池知事は「聞こえのバリアフリーに取り組んでいく」と答えました。
あぜ上三和子都議は今年3月13日の同委員会で質問し、区市町村の判断で補聴器購入助成に、都の包括補助(高齢者施策経費の2分の1を都が補助)を活用できることを確認。
都の福祉保健局は区市町村の判断で実施できると答弁しました。
国会では、大門実紀史参院議員が同21日の参院財政金融委員会で質問し、加齢性難聴者の補聴器購入の補助制度を要求。
兵庫県議会の昨年12月議会で、共産党が提案した公的補助制度創設を求める意見書が全会一致で採択されたことを紹介し、「高齢者が社会で活躍、働いていくとき、補聴器は必需品になる」と迫りました。
麻生太郎財務相は「やらなければならない、必要な問題」と答えました。
4月24日には、大門、吉良よし子の両参院議員と、あぜ上、池川友一の両都議、川村のりあき新宿区議らが厚生労働省に、補聴器購入の補助などを要請しました。
私の祖父母も加齢性難聴です。
すべての人が年を重ねることで難聴となる可能性がある今、国が率先して対策をとるべきです。
現在、都内では8自治体が高齢者への補聴器の現物支給や購入費助成をしています。
東久留米市議会でも公的補助を求める意見書があがるなど、国や都の助成制度を求める声は強まっています。
だからこそ国は自治体任せにせず、難聴で困っている方の現状を把握し、補聴器等への公的助成の創設、相談体制や医療としての支援を充実すべきです。
難聴に苦しむ方々への公的支援を前に進めるため、私も全力で頑張ります。
(2018年5月23日付「しんぶん赤旗」より)