【ソウル=加來恵子】ソウル市内で開かれた日韓国際フォーラムでは四つの分科会が開かれました(30日)。
第1分科会では、「核兵器のない世界に向けて―日本と朝鮮半島に非核・平和の確立を」をテーマに日韓国会議員も参加し討論しました。
日本共産党の宮本徹衆院議員は、党が提唱する憲法9条を生かした平和の外交戦略「北東アジア平和協力構想」を紹介し、「北東アジアの平和構築に日本の侵略戦争と植民地支配の反省は欠かせない。憲法9条を生かした平和外交を展開し、地域と世界に貢献する日本をつくることが求められる」と発言。
市民と野党の共闘で安倍政権を終わらせ、憲法9条を守り、核兵器禁止条約に署名・批准する政府をつくる決意を語りました。
韓国の正義党の金鍾大(キム・ジョンデ)議員は、朝鮮半島周辺の核兵器保有能力について報告し、「韓国は核に包囲されている。市民社会が協力し、朝鮮半島地域の非核化に努力すべきだ」と述べました。
原水爆禁止日本協議会の土田弥生事務局次長は、核不拡散条約(NPT)再検討会議の準備委員会で、核保有国が守勢に立たされていることを紹介。
核兵器禁止条約に背を向け、改憲と「戦争する国づくり」をすすめる安倍政権に対し「反核・平和を願う市民の審判を参院選挙で下す決意です」と語りました。
平和と統一を開く人々のコ・ヨンデ共同代表は、朝鮮半島・北東アジアでは軍事同盟の冷戦的対立が根深いが、「禁止条約は核兵器のない世界に向けて重要な関門を超えた」と指摘。「日韓政府に対し市民社会は、禁止条約に参加することを優先的に促すべきだ」と力説しました。
米国の平和・軍縮・共通安全保障キャンペーンのジョゼフ・ガーソン議長は、米ロによる核軍拡競争時代に入っていると指摘。来年のNPT再検討会議を前に原水爆禁止世界大会をニューヨークで開催し、「平和運動団体だけではなく環境・労働運動の人たちにも呼びかけ、核兵器の問題を広げる機会にしたい」と語りました。
(2019年6月2日付「しんぶん赤旗」より)