日本共産党の山添拓議員は5月23日の参院国土交通委員会で、昨年10月に大島大橋(山口県周防大島町・本州間)に貨物船が衝突した事故の被害救済を求めました。
事故被害について国交省の水嶋智海事局長は、同橋を通る送水管や光ファイバーケーブルが寸断し、車・人・物の移動が大幅に制限され、町全体が断水し、橋や送水管の復旧費だけで28億円、町内の民間事業者や住民が受けた被害を合わせるとさらに相当な額にのぼると答弁。
高さ30メートルの橋桁の下を高さ42メートルの船が通過しようとして起きた事故は「珍しい」と述べました。
山添議員は、船会社が船主責任制限法に基づく賠償額の制限を申し立て、広島地裁が上限額を24億5千万円と決定したことに言及し、責任制限の例外の有無を質問。
法務省の筒井健夫審議官は、故意による損害や損害発生の危険性を認識しながらの無謀な行為による損害などは責任を制限できないと述べました。
山添議員は、船舶の座礁などで排出した燃料油を地方自治体が防除する費用の一部を国が補助する制度があると指摘。
水嶋氏は「船主責任法による限度額を超えるか否かにかかわらず、防除作業に要した費用は全て補助の対象になる」と答弁しました。
山添議員は、今回のような衝突事故では法律の制限により救済が徹底されない可能性があるとして、国が救済する仕組みを検討するよう求めました。
(2019年6月3日付「しんぶん赤旗」より)