日本共産党の笠井亮議員は12日の衆院経済産業委員会で、格差と貧困の広がりが深刻な今、日本の低すぎる最低賃金の引き上げは喫緊の課題だと述べ、そのための中小企業支援強化を求めました。
笠井議員は、政府も生計費には足りないと認めるほど最賃が低いとして、「ただちに全国一律に時給1000円に引き上げ、さらに普通の生活を賄える時給1500円を目指すべきだ」と主張。カギは中小企業で賃上げをどう実現するかだとして認識をただしました。世耕弘成経産相は「中小小規模事業者の生産性向上の支援などを通じて賃上げの動きを浸透させる」と答弁。
笠井議員は「方向性が全く逆だ」として、「生産性をあげることで最賃引き上げが付いてくるのではなく、最賃を引き上げてこそ生産性をあげられる」と指摘しました。
そのうえで笠井議員は、政府が中小企業の最賃引き上げ支援策として支給する「業務改善等助成金」の予算額は2014年度の35.9億円から2019年度(当初予算)は6.9億円へ、交付件数も2014年度2767件から2018年度655件へと減少していることをあげ、「予算が減少している上に、使い勝手も悪い制度だ」と指摘。
米国やフランスが中小企業の最賃引き上げに直接結び付く大規模な支援策を講じていることや社会保険料の負担が軽減されれば、賃上げできるという若手経営者の声を紹介しながら、「社会保険料の事業主負担分を賃上げ実績に応じて減免して、中小企業の賃上げを支援する。そのための予算を抜本的に拡大する支援策こそとるべきだ」と強調しました。
(2018年6月13日付「しんぶん赤旗」より)