米軍横田基地(東京都福生市など5市1町)の周辺で、同基地所属の空軍特殊作戦機CV22オスプレイが機体後部のランプ(斜路)付近に備えつけられた機関銃の銃口を住宅地に向けながら飛行するケースが7月に入って急増しています。羽村平和委員会の調べで分かりました。
多くの学校、保育園、病院が存在する住宅地を戦場とみなし、標的にした訓練を行っている可能性もあります。
同会によると、住宅地に銃口を向けて飛行するCV22が、7月3日から同月11日までの9日間で、少なくとも5日間・延べ9機が確認されました。
内訳は7月3日に1機、8、9、10、11日に各2機です。
初めて確認された2018年6月29日から2019年6月27日までの約1年間で、29日間・延べ32機だったのに比べて頻度が高まっています。
7月1日に横田基地でCV22の部隊を特殊作戦群の分遣隊から飛行隊に再編し、整備部隊を発足。その直後から訓練を拡大させました。
米空軍によると、搭載されているのはM240またはM2重機関銃です。機関銃のそばに立つ米兵の姿が数回目撃されています。
東京都日の出町に住む女性(70)は「銃口を向けられるのは恐怖です。戦闘機が飛びまわって恐怖を感じる生活をなぜ送らないといけないのでしょうか。平和に暮らしたいだけなのに」と声を震わせました。
「横田基地の撤去を求める西多摩の会」代表(77)は、横田基地の滑走路中心から3キロメートルの範囲に小中学校や高校が30以上あると指摘。
「人間が暮らす市街地を戦闘機が飛ぶこと自体おかしい。ましてや銃口を市民に向けるなんてあってはならない」と語りました。
米軍の態度にも憤りを募らせています。
「銃口を市民に向けた訓練はやめてほしいと抗議すると、米軍は『標準の飛行だ』と説明します。恐ろしい感覚だと思います。横田基地は撤去してほしい」
(2019年7月28日付「しんぶん赤旗」より)