東京都の小池百合子知事は9日の定例記者会見で、9月1日に行われる関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼式典(実行委員会主催)に追悼文を出すかどうか問われ「昨年と同様、追悼文を出す予定はない」と明言しました。
これに先立つ8日、日本共産党都議団(曽根はじめ団長、18人)は、追悼文を送付するよう小池知事に申し入れました。
1923年の関東大震災では、混乱の中で「朝鮮人が暴動を起こした」などのデマが流され、軍隊や警察、自警団などによって多数の朝鮮人らが虐殺されました。
1973年に追悼碑が都議会全会派の賛同で墨田区横網町公園に設置されてから、追悼式典は毎年行われ、歴代知事が追悼文を送付していましたが、小池知事は就任翌年の2017年から送付を中止しています。
小池知事は会見で、追悼文を送付しない理由について、「毎年9月と3月に全ての犠牲者への哀悼を表明している」と述べました。
共産党都議団の申し入れでは、関東大震災での朝鮮人虐殺の事実は国の中央防災会議報告書(2008年)でも認めていると指摘。
「知事の姿勢や認識は、民族差別を背景とした朝鮮人の虐殺・加害の事実をうやむやにし、風化させることにつながる」と批判しました。
(2019年8月10日付「しんぶん赤旗」より)
「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典」への知事の「追悼の辞」送付を求める要請は都議団サイトで読めます