教員の長時間労働について考える集会が8日、東京都内で開かれました。
現役教員や過労死した教員の家族、学者・研究者から、政府がねらう1年単位の変形労働時間制の導入を批判する意見が相次ぎました。
集会を呼びかけた一人、現職教員の男性は「業務量を減らすか、業務量に見合う定員にして、8時間で帰れる職場にしてほしい」とあいさつ。
教員の夫を過労死で亡くした女性(過労死を考える家族の会)は「教員がお手本となり、子どもたちに向き合える働き方が願いです」と述べました。
変形労働時間について文科省は、平日の勤務時間を延長して夏休み中の勤務時間を短縮するとしています。
名古屋大学の内田良准教授は、「教員は定額で働かせ放題。夏休みでも残業しており、変形労働時間制を入れる前提がない」と発言。
教育学会会長を務める広田照幸・日本大学教授は「変形制で労働時間は見かけ上減るだけ。労使協定も結ばないから保証もない。残業代を払うか大幅増員が必要だ」と述べました。
過労死家族の会の代表は「過労死は時間管理がされず、残業代もない環境で起きる。制度を改善すべきだ」と述べました。
与野党の議員が多数出席し、日本共産党から畑野君枝、塩川鉄也両衆院議員、吉良よし子参院議員が参加。
畑野議員は「変形時間制の導入をやめさせ、労働時間短縮を実現させよう」とあいさつしました。
(2019年10月9日付「しんぶん赤旗」より)