東京都世田谷区でこのほど、世田谷区庁舎と区民会館の建て替えについて検討するリング会議が開かれました。
設計を受託した佐藤総合計画と区が共同して開催し、学識経験者や区民が参加しました。
区と佐藤総合計画の代表が、実施設計案の変更点、前川國男(現施設を設計)建築の空間特質の継承について説明。
今回の会議に先立って行われた区内建築家3団体の意見聴取の結果を発表しました。
建築家からは「前川氏が意図した区民の憩いの場となる空間特質が継承されていない」「意見交換を申し入れていたのに区は応じなかった」と指摘がありました。
説明後には、区庁舎や区民会館で囲まれた空間につくるリングテラスなどについて質疑応答。
会議参加者は小グループに分かれて、計画に対し賛否それぞれの意見を出しました。
傍聴した建築家の黒木実氏は「費用は447億円に増え、維持管理費も不明だ。区民の立場に立った専門家のチェックを入れるべきだ」と話しました。
日本共産党の中里光夫区議は「区は、区民参加でつくった基本構想を実現する方向で進めています。今後も区民参加の方針を堅持して、区民の意見を取り入れていくことが大事です」と述べました。
(2019年10月11日付「しんぶん赤旗」より)